お湯が使えない、年賀状が作れない…コロナ禍の“品薄リスト”12

お湯が使えない、年賀状が作れない…コロナ禍の“品薄リスト”12

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「私たちの生活に不可欠な製品が、コロナ禍の影響でいくつも品薄状態になっています。これからの季節に欠かせない商品も、在庫不足や納期の遅れが続々と報告されているのです」

こう話すのは、流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんだ。

コロナの新規感染者数が減少し、緊急事態宣言が一斉解除されて半月以上が経過。

2度のワクチン接種を完了した人も増え「そろそろ真冬の準備を」と計画している家庭も多いだろう。しかし製品が買えないとなれば、その計画にも狂いが生じることになる。

次のように、品薄の商品は多岐にわたる。

■意外な品薄商品リスト

【温水洗浄便座】TOTO、パナソニックなど

品薄で納期遅れ。

【給湯器】リンナイ、ノーリツなど

品薄で納期遅れ。

【セーター・スエットなど】ユニクロ

秋冬商品の販売を一部延期。

【自動車】トヨタ、ホンダ、三菱自動車

一部で工場稼働停止、ベトナムで生産停止など。

【冷凍エビ】

品薄で価格が高騰。

【冷凍食】ニチレイ、味の素冷凍食品など

タイの状況悪化で、一部商品が一時生産停止。

【プレイステーション】ソニー・コンピュータエンタテインメント

品薄で納期遅れ。

【パソコン】NEC、アップルなど

供給制限、減産見通しなど。

【スマートフォン】アップル

半導体不足により生産目標を下方修正。

【カーナビ】パナソニック、パイオニアなど

品薄で入手困難。

【プリンター】キヤノン

ベトナムの状況次第でさらに品薄に。

給湯器を筆頭に、使えなくなると毎日の生活で何かと困る製品が品薄とは、いったいなぜなのかーー。

「コロナ禍で、ベトナムが大規模なロックダウンをしていたことが大きく関係しています」(加谷さん・以下同)

ベトナムの状況が日本の製品に関係してくるメカニズムを、加谷さんは次のように解説する。

「ベトナムに進出している日本の企業は約2,000社あります。大手メーカーでは、主力工場のあるTOTO、プリンターを製造しているキヤノン、白物家電ではパナソニック、部品生産でトヨタ、ホンダなどがベトナムを調達先としています。これらの企業が、現地のロックダウンで部品などの生産が止まり、製品が日本に入ってこない状況に陥っています」

■品薄状態が値上げの引き金になることも

ベトナムでは、現地調達できない部品などを日本、中国、韓国やタイなどから輸入・加工しているが、タイでも同じようにコロナ禍の影響で製造が遅延・中断しているという。

「すると、タイからベトナムへの輸出が滞り、ベトナムから日本への輸出も滞る……という、負の連鎖ができてしまいます」

こうして、数々の製品に納期の遅れが生じているのだ。

給湯器に関しては、リンナイが自社ホームページに《納期遅延に関するお詫びとご案内》を掲載しており、1カ月待ちもあるという状況。冬本番にお湯が使えなくなるというのはかなりつらい……。

また、取引先の縫製工場がベトナムにあるファーストリテイリングでは、ユニクロのセーターなど4商品の発売を延期している。

自動車メーカー各社も、工場の稼働や生産を停止と発表。さらには、食品関連も。

「ベトナムが産地の冷凍エビは、品薄の影響で価格が高騰しました。食品は商品の生産・販売サイクルが早く、品薄になると値上がりに直結しやすいのです」

同じ冷食では、ニチレイや味の素冷凍食品の冷凍から揚げなどが生産休止になったが、これらは生産国であるタイの感染拡大の影響を強く受けているという。

品薄の要因が、ベトナム、タイのロックダウン以外によるものである製品も。

「ゲーム機やパソコン、スマホなどのコンピュータ関連機器は、いずれも『半導体の供給不足』が深刻に影響しています」

加谷さんによれば、世界各国において、コロナ禍以前から“社会のAI化”を進めるために半導体の需要は急拡大していた。そこに、コロナ禍が輪をかけるように影響を与えたという。

「コロナによる“巣ごもり需要”の拡大により、コンピュータ製品の需要が著しく上昇したことがひとつです。そして、欧米、中国の各企業が『コロナ後』の社会に備えて『リモートワーク』を急速に進めています。すると家庭で作業するための端末などの需要が高まり、半導体不足が世界規模で発生しているのです」

この影響で、アップル社が最新のiPhone13シリーズを減産する見通しであることがアメリカで報道されたばかり。加谷さんは、半導体価格の高騰は少なくとも’22年いっぱいは続くとみている。

すでに品薄状態の製品のほか、今後、「品薄になりそうな商品」を、加谷さんは次のように予測する。

「コロナの感染拡大の状況にもよりますが、パナソニックがベトナムに工場を持つエアコンや冷蔵庫などの白物家電は、品薄や価格上昇があるかもしれません。プリンターはすでに品薄状態ですが、キヤノンはベトナムが主な生産拠点なので、コロナ次第でさらなる状況悪化が懸念されます」

「品薄」は「価格高騰」を招く要因にもなる。最後に加谷さんが、品薄状態の製品の「買いどき」についてのアドバイスをくれた。

「全般的に、いまは価格が上がっている状態。電化製品などは特に、年末年始から来夏にかけて値上げの恐れこそあれ、安売りは期待できません。現在『必要だ』と思うものは、いま購入したほうが安くすむ可能性も大きいでしょう」

量販店の店頭や価格比較サイトなどで気になる商品の価格チェックを「習慣にすべき」と加谷さん。家計の出費を防ぐひと手間を惜しまないようにしよう。

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