“江ノ電自転車ニキ”語った罵倒騒動のその後「撮り鉄の子が謝罪にきた」

“江ノ電自転車ニキ”語った罵倒騒動のその後「撮り鉄の子が謝罪にきた」

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今年12月から、鉄道の撮影マナーを呼びかける案内を公式サイトに掲載したJR四国。NHKによれば、同社は過去に伊予灘を一望できる撮影スポットとして人気の高い下灘駅では注意喚起したことはあるというが、公式サイトで広く呼びかけるのは初めて。

主に鉄道車両の撮影を趣味とするいわゆる「撮り鉄」に向けて、撮影ポイントの場所取りや過度な権利主張、列車に接近する行為などを控えるよう注意を促している。

大多数はルールを守って撮影を楽しむ「撮り鉄」だが、中には行き過ぎた行為でしばしば問題視される人も。今年8月にも江ノ島電鉄で、大きな話題を呼んだ“撮り鉄騒動”があった。

「8月5日深夜、江ノ島電鉄の旧車両『305』が試験運転を実施しました。この車両は“江ノ電最古の現役車両”として鉄道ファンから絶大な人気を集めています。この日は夏休みとあって遅い時間にもかかわらず、大勢の鉄道ファンがカメラを構えて車両が来るのを待機していたのです」(鉄道会社関係者)

事件が起きたのは、江ノ島〜腰越駅間にある交差点。鉄道関係者によると、この場所は「撮り鉄」にとって絶好の撮影スポットだという。

踏切の警報機が鳴り、暗闇の中から電車が現れると同時に自転車に乗った1人の外国人男性が車両と並走して現れたのだ。事情を知らない男性は、自身が撮影されていると思ったのか、左手を高く上げながら、カメラに向けてポーズをとる。

しかし、絶好の撮影チャンスを逃した撮り鉄たちは予期せぬ珍客に大激怒。男性に詰め寄り、「どけよ!死ね!」「金払え」などと大声で罵倒する。この様子が撮影された動画は瞬く間にTwitter上で拡散され、論争を呼ぶ事態となったのだ。

■Twitter上でバズった「江ノ電自転車ニキ」

思わぬ理由で罵声を浴びることとなった男性だが、動画がTwitter上で拡散され大バズり。笑顔で左手をあげて江ノ電と並走する姿のコラージュやパロディ画像が出回るといった珍現象も巻き起こったのだ。いつしか男性は「江ノ電と並走していた自転車に乗ったアニキ」を略して、「江ノ電自転車ニキ」の愛称で呼ばれるように。

騒動はテレビやメディアでも取り上げられ、後に「江ノ電自転車ニキ」の正体は江ノ島でタコス店を経営するニューヨーク出身のディランさんだと判明。「撮り鉄」から罵声を浴びて、意気消沈しているかと思いきや、ディランさんは騒動を自ら“ネタ”にしていたのだ。

「ディランさんはコラージュ画像を自らInstagramに投稿し、フォロワーは4.5万人を突破。さらに画像を加工したプリント入りのTシャツやパーカーを店内で販売するなど、グッズ展開までしています。最近ではLINEスタンプの発売も始めました。ディランさんと会うために遠方からやって来る人もいて、連日行列ができるほどお店は大繁盛です」(地元住民)

そんな話題を呼んだディランさん。現在、彼の店はどうなっているのだろうか? 12月中旬のランチライムに、本誌記者がディランさんの店を実際に訪ねてみた。

江ノ島から江ノ島電鉄に乗り換え、騒動の起きた交差点を通り過ぎて一駅。腰越駅から数分歩くとディランさんの店が見えてきたが、すでに8人ほどのお客さんが店の外の階段で並んでいた。カップルやグループ、カメラの三脚を抱えた「撮り鉄」まで客層も様々だ。

待つこと20分ほどで店に入ることができた記者に、「まだお客さんが来るから、来たら同じテーブルでお願いします」と声をかけてきたのはディランさん。客席は6人掛けのカウンターに、テーブルが2席。15人も入れば満席の店内は、一向に客足が絶えないほどの賑わいぶりだった。

■ディランさんを罵倒した「撮り鉄」が来店

ランチセットのメニューを流暢な日本語で丁寧に説明していたディランさんは、お客さんともフレンドリーで写真撮影にも快く応じていた。オーダーストップの時間を過ぎても客足は絶えなかったが、店内が落ち着いてきたあたりでディランさんに声をかけてみた。

記者が名刺を差し出すと、「そうだと思ったよー(笑)」と明るく応じてくれたディランさん。そんな彼に4カ月前の騒動について訊ねてみると、意外な“後日談”を聞かせてくれた。

――騒動の当時は大変でしたか? 電話も繋がらなかったようですが。

「最初はね。ビックリしたけどね」

――お店はすごく繁盛していますね。

「そう。週末は特にね。たくさんのお客さんに来てもらっています」

――グッズもすごく売れていますね。

「そうそう! シャツとかね。今度ね、新しいシャツ出ますよ。新しいデザインで」

――ディランさんはあの騒動をどう受け止められましたか?

「ホント最近ね、あの時の撮り鉄の子達が店に来てくれて。『申し訳なかった』って謝ってくれたんです。こっちも事情がわからなかったから、『悪かった』ってね。会えばね、みんな良い人たちです」

罵声を浴びた「撮り鉄」たちにも一切の恨み言を口にしなかったディランさん。「江ノ電自転車ニキ」が人気者な理由は、その大らかな人柄にもあったようだ。

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