感染再拡大のオミクロン株に医師が警鐘「“急変死”招くことも」

感染再拡大のオミクロン株に医師が警鐘「“急変死”招くことも」

「急変死招く」オミ株に警鐘

感染再拡大のオミクロン株に医師が警鐘「“急変死”招くことも」

感染再拡大のオミクロン株に医師が警鐘「“急変死”招くことも」の画像

年明け早々から、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が広がった第6波。全国の新規感染者数は、2月5日の10万5,611人をピークに徐々に減少していくと思われたが……。

「ここへきて不気味な動きが見られます」

厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家グループのメンバーの1人はそう警鐘を鳴らす。

「4月に入ってからの新規感染者数は前の週を1.08倍上回っており、増加傾向が2週にわたって続いています。春になり人流や大人数での宴会などが増え、特に10〜20代の感染者が増えている。これまでも、若い世代の感染者が増えた後に高齢者への感染が拡大したことを考えると、第6波の感染者数はこのまま下がり切らずに次の波がやってくる可能性が高いです」

感染者数がもっとも多い東京都も、感染の再拡大を警戒。4月7日に行われたモニタリング会議に出席した小池百合子都知事は「感染が急拡大するかどうか重要な局面」との認識を示し、感染対策の徹底を訴えた。

そもそも、この第6波をもたらしたオミクロン株に関しては《デルタ株と違って重症化リスクは低い》《感染しても症状はかぜと同じ》という楽観的な見方が若い世代を中心にあったが、まずはグラフ(画像参照)を見てほしい。

オミクロン株は、デルタ株と比べて重症化するリスクは低いことが明らかにされているが、第6波で亡くなった人は1万74人にのぼる(’22年1月〜4月6日まで)。これはデルタ株が猛威をふるった第5波(’21年7〜10月まで)で亡くなった人のじつに3倍以上だ。

ウイルス学が専門の埼玉医科大学前准教授・松井政則氏が語る。

「デルタ株はウイルス自体が肺に入り込み、そこで増殖することで肺炎を起こし、重症化にいたる人が増えました。オミクロン株は鼻からのどまでの上気道で増える特質があり、デルタ株と比べて重症化リスクは低い。ところが感染力が強く、第5波の新規感染者は92万人でしたが、第6波では500万人を超えています。重症化しにくいとされるオミクロン株ですが、致死率は0.13%(暫定値)ほど。感染した人の増加に比例して、亡くなる人も増えていくのです」

■受診や入院を控えた人の容体が急変

さらに、オミクロン株の特質によるものか、第6波ではこんな事態も起こっている。

警察庁によると、今年2月に、自宅や高齢者施設など“病院以外で容体が急変するなどして亡くなった人”のうち、オミクロン株に感染していた人が564人いたことがわかった。

この数字も、デルタ株が感染拡大した昨年8月の250人を大幅に上回っている。

「自宅などで亡くなった564人のうち、オミクロン株の感染によることが死因だった人は226人です。オミクロン株は、感染しても軽症や無症状のケースも多く、受診や入院を控える人も多い。しかし、高齢者や基礎疾患のある人は、感染による免疫力の低下や発熱などにより持病が悪化します。容体が急変して、そのまま亡くなるケースが少なくないのです」(全国紙記者)

医療の現場では深刻な状況が続いている。

感染症に詳しい、独立行政法人国立病院機構宇都宮病院の院長・杉山公美弥先生が語る。

「当院は呼吸器の医師が多く在籍しており、呼吸器疾患の患者さんが優先的に運ばれてきますが、第6波においても、コロナ特有の肺炎によって亡くなられているケースがほとんどです。しかも、人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)を装着しても、高齢者の場合は救命が困難であることも少なくない。国の基準では、“重症者”に数えられるのは人工呼吸器やICU(集中治療室)に入る人。重症に分類されないで亡くなっている人が今まで以上にいます」

また、感染しても無症状や軽いかぜのような症状の若い世代が、自分が感染していることを知らずに高齢者へウイルスを広げてしまうことも。杉山先生が続ける。

「先週亡くなられた一人暮らしの83歳の女性は、小学校に上がるお孫さんとお祝いの食事を一緒にした際、無症状の孫からオミクロン株に感染し、呼吸困難で運ばれてきました。CT検査では、広範囲にすりガラス陰影があり、すでにコロナ特有の肺炎症状がありました。ご家族のご意向もあり、そのまま息を引き取りました。たしかにオミクロン株は、若い世代にとってはただのかぜかもしれませんが、高齢者にとってはデルタ株以上に警戒しなければいけない感染症だと思っています」

これまでの変異株と異なり、病原性が弱いといわれているオミクロン株だが、そんな私たちの気の緩みが、ウイルスに付け込む隙を与えてしまうのかもしれない。

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