識者語る「みずほFGの人事制度改革は『年功序列型終身雇用』の終わりの始まり」

識者語る「みずほFGの人事制度改革は『年功序列型終身雇用』の終わりの始まり」

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「みずほ銀行などを展開する、みずほフィナンシャルグループは11月21日、年功序列型給与体系の廃止などの方針を発表。’24年度から、個人の能力を給与に反映させる仕組みに完全移行するとして波紋を呼んでいます」

企業経営に詳しい経済評論家の加谷珪一さんがこう話す。

「これは、入社以降に年々昇給し、60歳の定年を迎えた後も65歳まで再雇用で社に残れる、という日本独特の『年功序列型終身雇用制度』の終わりの始まりといえます」

給与体系の改革は、金融業界のみならず、国内企業全般の流れとなると加谷さんはみているという。

「金融業にはITによって代替が可能な定型業務が依然として多く、人件費を削減しやすいため、特に秀でた能力のない社員は“余剰人員”とみられがちです。他業種でも同様の定型業務は存在しており、『いるだけで年々給与が上がる社員』はどこの企業も減らしたいというのが本音なんです」

いまの50代には、安定した会社員生活を送り、60代でリタイア後は年金受給で余生をゆったり、という人生設計を描いてきた人も多いはずだ。

「かつてはステレオタイプであった老後も、もはや“夢の話”と捉えたほうが賢明でしょう」

具体的に世の50代サラリーマンの給与は、今後10~15年でどう変わっていくのだろうか。

「現在50歳の人で、月収が50万円と仮定します。これまでどおりなら年に大体1万円の昇給があり、60歳時点で月収は60万円。65歳まで再雇用されれば月収30万円程度は得られるでしょう。しかし、年功序列型の給与体系が崩れた後は、特に優れた人材でない限り、せいぜい現状維持がやっとだと考えるのが妥当です」 加谷さんの見立てでは「50歳50万円」から昇給せず「60歳50万円」の現状維持ならマシなほうで、「60歳40万円」と減給されるケースも十分考えられるという。

「60万円から40万円に月収が減ってしまえば、じつに3分の2になることに。そうなれば再雇用で働く際の月収も25万円程度になる可能性もあります」

今から私たちにできることはあるのだろうか……。

「まだ安泰であるうちに準備することが大切です。家計の固定費、変動費の見直しももちろん重要ですが、最も大事なのは“65歳以降も現役世代並みの収入を得るために働く”という、ポジティブな計画です」

加谷さんは、「好きなことからでいい」として、資格取得を勧める。

「実質的には75歳くらいまで働くことを念頭に置くと、

“手に職”があるのがベター。わかりやすい『資格』があると強みになります。それが65歳以降も働くうえで可能性を大きく広げてくれます」

忍び寄る雇用システムの激変。老後の生活について、改めてシミュレーションしてみる必要がありそうだーー。

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