覚えておきたい改正相続法 住宅を手放さず預貯金も相続可能に

覚えておきたい改正相続法 住宅を手放さず預貯金も相続可能に

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連日、新型コロナウイルス関連のニュースで持ちきりだが、4月には相続など、私たちの“お金”に関する重要な法律が施行される。それらは私たちの生活にどう影響するのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが、生活への影響度の大きさで★をつけてくれたーー。

【民法改正 配偶者居住権の施行】生活への影響度★★

昨年、40年ぶりに民法が改正され、相続が変わりました。今年4月からは、「配偶者居住権」が認められるようになります。

相続は、相続人が納得すれば自由に分けてよいのですが、合意できないと「法定相続」というルールに従うことになります。これまでの法定相続は、夫が他界し、妻と子どもで相続する場合、妻が遺産の半分を、子どもたちが残り半分を分け合うのが決まりでした。

たとえば、2,000万円のマイホームと2,000万円の貯金を残して夫が他界したとします。遺された妻がマイホームに住み続けたい場合、妻は2,000万円のマイホームを、貯金2,000万円を子どもたちで分けることになります。きょうだいが2人なら、それぞれ1,000万円ずつ受け取ります。

でもこれでは、妻が貯金を相続できず、その後の生活が困窮することになりかねません。

そこで4月からは、マイホームについて、妻が「居住権」を、子どもが「その他所有権」をと分けて相続できるようになります。

先に2,000万円のマイホームが、居住権が1,000万円、その他所有権が1,000万円とすると、妻は1,000万円の居住権と1,000万円の貯金を相続し、子どもたちがそれぞれ500万円分のその他所有権と、500万円の貯金を相続することになります。

配偶者居住権によって、妻はマイホームに住みながら、貯金も手にして生活も安定するでしょう。これから相続をする方には、かなり大きな法改正といえます。

【発送電の分離】生活への影響度★

’16年に「電力小売の自由化」が行われ、新しい発電業者などがたくさん誕生しました。

ですが、各家庭に電力を送る送配電部門は大手電力会社にゆだねられたまま。これでは、新しい発電業者は高い送電費用を払わせられることになりかねず、電気料金の自由な競争を妨げるのではといわれていました。

そのため、今年4月の発送電の分離が、電力自由化の総仕上げ。小さな発電業社も自由に割安な送電網を利用できるようになって、もう一段階、電気料金が安くなることが期待されていました。

しかし実際は、大手電力会社が別会社をつくって送電網の管理を行うことになりました。送電網の構築や管理には、大きな資金とノウハウが必要だからです。

4月は発送電の分離という節目ですが、大きく取り上げられることもなく、電気料金の引き下げも見込めないでしょう。

「女性自身」2020年4月7日号 掲載

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