2m超えてもウイルスが…無換気の密閉空間で空気感染の可能性

2m超えてもウイルスが…無換気の密閉空間で空気感染の可能性

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「もう“夜の街”だけと言える状況じゃありません。これだけ感染者が増えてくればもはや第2波が到来したと言ってもいいでしょう」

第2波の到来を告げるのは、NPO法人・医療ガバナンス研究所の上昌広理事長。新型コロナの感染拡大が止まらない。

6月下旬から全国で急速に感染者数は増え、7月9日に200人台に突入。10日には東京で過去最多となる243人を記録し、収束どころか第1波越えの様相を呈してきた。

感染症を専門とする、のぞみクリニックの筋野恵介院長は一部で叫ばれている「PCR検査数を増やしたから感染者も増えているだけ」といった声に警鐘を鳴らす。

「緊急事態宣言下と絶対的に違うのが、現在は人の移動や飲食店などの自粛がされていないということ。多くの方がほぼ日常の生活に戻れば、感染のスピードも速くなるはずです。緊急事態宣言のときと同じスピード感で対処していては、気付いたときは拡大を止められない可能性も大いにあるでしょう」

特に問題となっているのが、感染経路不明者の増加。7月9日の東京都の感染者224人中104人が経路不明だった。しかし、この状況下でも政府は10日から県またぎ観光を緩和するなど対策を講じる様子はない。

そんななか、新たなる脅威が迫っている――。

7月6日、世界中の科学者239人がWHOなどに対し、新型コロナウイルスに関する共同意見書を発表。ウイルスが飛沫より小さい粒子となって空中を漂い、2mをはるかに超える距離で感染する“空気感染”の可能性があると指摘し、翌日にはWHOも「可能性は否定できない」と返答したのだ。

「専門家の間では『2m距離を取っていても感染を防ぎきれない』という意見もあります」(医療ジャーナリスト)

科学者たちの言う“空気感染”について、飛沫感染との中間にあたる“エアロゾル感染”ではないかと指摘するのが感染症専門医で東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授だ。

「これは飛沫より小さいウイルスを含んだエアロゾルが空気中を浮遊して感染させるというもの。条件によってはウイルスが5μm以下の小さく軽い水分の粒子に含まれて、空気中を数時間漂い、集団感染を起こすということはありえます。

1月に中国・広州のレストランで離れたテーブルに座っていた3家族10人が感染した事例でも飛沫感染だけでは説明がつかないからです」

このエアロゾル感染を大きく左右するのが、湿度だ。元WHO専門委員でハーバード大卒の医学博士・左門新先生は言う。

「新型コロナウイルスは乾燥すると感染力を失いますが、人の肌から出る水蒸気や呼気にも水分は多く含まれているので、換気をしていない密閉空間では湿度が高まり、感染しやすくなります。そうした環境では、乾燥せずに感染力を保ったままウイルスは数十分も漂うことがあります」

100人もの感染者を出した鹿児島県のショーパブで発生したクラスター感染も“空気感染”の可能性を完全には否定できないという。

「3密によるクラスターも、主には会話による飛沫感染や接触感染でしょう。しかし、ほんの一部ではいわゆる“エアロゾル”感染があったかもしれません」(左門先生)

「女性自身」2020年7月28日・8月4日合併号 掲載

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