一人でも多くの署名を国連へ 被爆3世語る「日本の教訓生かせ」

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林田光弘さん(28)は1992年長崎市生まれ。祖父が長崎の被爆者で、被爆3世。小学生の頃から被爆者たちの証言を聞き、核兵器廃絶の活動を続けてきた。大学在学中は「SEALDs」(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)を仲間と結成して活動した。若い世代での盛り上がりが評価されて、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)から声をかけられてリーダーになった。

リーダーとして約5年間活動をするなかで「身体的な被害だけでなく心、暮らし、人生まで破壊するのが核兵器」ということをあらためて認識したという。原爆投下直後の惨状だけでなく、生き残った被爆者のその後の人生を伝えながら、「この世にあってはならないもの」と訴えて、今回、「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンリーダーとして1,261万人超の賛同者を増やした。

「被爆者は他の戦争被害者の方々に比べても特別な苦しみのなかを生きてきました。肉体的な怪我や病気での苦しみに加えて、人類未曾有の経験である「被爆体験」は差別や偏見など社会的な孤立を生みました。原爆は体だけでなく、心、生活、財産、人生、すべてを破壊してしまう。『こんな目に遭うのは自分たちでたくさん』と被爆者たちが75年経ったいまも必死に訴え続けています。そのことを一人でも多くの日本人に伝えていきたいですし、事実を知ってほしいと思います」

核兵器禁止条約の前文には「核兵器の使用による犠牲者(hibakusha)ならびに核兵器の実験による被害者にもたらされた受け入れがたい苦痛と被害を心に留める」とあり、広島・長崎の被爆体験がこの条約の根底にある。

「残念なことに、未だ世界では広島・長崎の被害の実相が十分に伝わっていません。顕在化しない核の被害に苦しむ被爆者の人生を、人類の共通の記憶にすることで、核兵器に対する世界の認識は大きく変化するはずです。ほかの兵器と違う“核兵器”の持つ目には見えない恐ろしさを伝えることこそ今必要な行動なのです」

広島、長崎を単なる日本の歴史としてではなく、世界の経験にすることで核兵器に対する人々の価値観を変えていく。このようなアプローチは、これまでに禁止されてきた対人地雷やクラスター爆弾で成功した実績もある。

「ヒバクシャ国際署名」は年末まで署名を集めている。林田さんは「一人でも多くの意思を国連に届けたい」と語る。

ヒバクシャ国際署名
https://hibakusha-appeal.net/

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