実体経済を反映していない「株価3万円」は暴落と隣り合わせ

実体経済を反映していない「株価3万円」は暴落と隣り合わせ

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2月15日、日経平均株価が3万円台を回復。’90年8月以来、実に30年6カ月ぶりだ。「株価は半年先の経済を予測する」というので、本来なら株高は喜ばしいこと。だが、いま私たちの周りには、コロナ禍の不景気感が渦巻いている。

’20年に休廃業や解散した企業は約5万件と、調査を始めた’00年以降で最多となった。倒産と合わせると約5万7,000件にのぼる(東京商工リサーチ)。コロナ関連の解雇や雇い止めも8万7,450を数える(’21年2月12日・厚生労働省)。

現在は不景気のどん底なのに、なぜ、株価が高騰するのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

■バブルは必ずはじける。投資は慎重に!

株価が高騰する理由は3つ考えられます。

1つ目は、世界中で金融緩和が行われ、金余りの状態です。行き場を失った資金が株式市場になだれ込み、株価を押し上げています。

2つ目は、日本の株式市場には、日本銀行や私たちの年金資金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の資金が大量に流入しています。こうした公的資金は、株価が下落しそうになると株をさらに買い増し、株価下落を食い止めています。

3つ目は、コロナ禍のなかでも業績好調な企業もあります。そうした好調企業でさえ、新型コロナの感染拡大を言い訳に、給料の据え置きやリストラなどでコストカットをはかり、企業業績をさらに押し上げているのです。

ですから、いまの株価高騰は、不景気感が漂う実体経済を反映するものではありません。地に足がついていない“バブル”なのです。

読者世代の皆さんは、平成初めのバブルを経験していますから、「バブルは必ずはじける」ことをご存じでしょう。

今回のバブルも例外ではなく、はじけるときがやってきます。ただ新型コロナが収束するまでは、世界の金融緩和政策は変わらないでしょうから。株価は多少の乱高下があっても、暴落することはないでしょう。

問題は、新型コロナの収束後です。世界中で金融の引き締めが始まると、バブルが一気にはじける可能性が高いと思います。

そんななかですが、「株価上昇中のいまこそ投資のチャンス」と考える方がいるかもしれません。確かに、あと1年くらいはいまと似た状況が続くと予想されますが、暴落の危険と隣り合わせです。

平成のバブルもそうでしたが、個人投資家はバブル崩壊の予兆をつかむのがむずかしく、株を売り抜ける判断が遅くなってしまいがちです。ましてや、いまから投資を始めようという方はなおさら、判断がむずかしいでしょう。

投資は自己責任です。たとえ自己資金がすべて吹き飛んでしまっても、生活に支障のない余剰資金でなら、スリリングな投資を楽しめるかもしれませんが、なけなしの資金をつぎ込んでの投資は、おやめなさい!

「女性自身」2021年3月9日号 掲載

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