【有本香の以毒制毒】「令和」祝賀に水を差す朝日新聞、平成最後の1面トップは… メディアが騒ぐ「女性・女系天皇」デタラメ論

【有本香の以毒制毒】「令和」祝賀に水を差す朝日新聞、平成最後の1面トップは… メディアが騒ぐ「女性・女系天皇」デタラメ論

朝日新聞東京本社

 新しい御代「令和」が幕を開けた。大型連休中だったこともあり、天皇陛下のご即位後初の一般参賀には全国から15万近い人々が詰めかけた。

 東京駅から皇居までの道が人で埋まっている様子を筆者も通りがかりに目にしたが、意外に若者や子供連れの姿が目立った。その人の列が4〜5時間待ちの長さとなっても、諍(いさか)い1つ起きない。改めて、日本は良い国だと感じた光景だった。

 ところが、このお祝いムードに水を差す「恨み言」ばかり言う団体があった。その筆頭は、日本の「クオリティ・ペーパー」朝日新聞だ。

 まず驚いたのは、ご譲位前の4月25日の「天声人語」が、「世襲に由来する権威を何となくありがたがり、ときに、よりどころにする。そんな姿勢を少しずつ変えていく時期が、来ているのではないか」と皮肉っぽく書いて、国民を嗜(たしな)めたことである。

 この5日後、朝刊を開いてさらに驚いた。平成最後となるこの日(4月30日)の朝刊では、他の全国紙がそろって「天皇陛下(現上皇さま)のご譲位」を1面トップ、カラー写真付きで伝えていたなか、朝日新聞だけがこのトピックをトップから外していた。しかも両陛下の写真はない。

 では、一体この日の朝日新聞の1面トップは何だったかといえば、安定の「反安倍」ネタである。

 《元号案、首相指示で追加 「令和」3月下旬に提出 6原案、皇太子さまに事前説明》との見出しを付け、記事では憲法学者の口を借りて、「首相の行為は、『新天皇の政治利用』にあたり、違憲の疑いがある」とある。

 30年ぶりの御代替わりにも、平成時代の天皇陛下のご譲位という日本にとっての大事にも決して浮かれず、朝日新聞は自社の大事、自社にとっての不倶戴天の敵である安倍晋三首相への批判で平成を締めくくった。この姿勢に好感は持てないが、筋は通っている。

 そして、令和が開け、天皇陛下のご即位の日になると、朝日新聞はさっそく、《皇位継承資格、3人のみ 女性・女系天皇、政権は消極的》という見出しの記事を載せた。新しい御代が始まった日に、終わるときの話をする感覚が筆者には不快だ。

 一方、メディアはここへ来て、「女性・女系天皇」の話題で騒いでいるが、そもそも、こんなデタラメな論の立て方もない。

 「皇統安定のため」とのおためごかしをメディアは一様に言うが、皇統とはイコール男系(父系)の血筋だ。それが一度、「女系」に代われば、その瞬間、今日までの皇統の終わりを意味する。それで、「持続可能」とか「安定」など、はなからあり得ない。

 生真面目な保守派の人々は「国民の多くに『女系』の意味、危険性が理解されていない」と嘆くが、問題はそれよりも、「女系」という、政治的レトリックが当たり前に用いられ、一般化されつつあることである。

 「女系」には天皇の血統はない。まずは目を覚まし、議論の主導権を奪い返すことから始めなければならないのである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

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