著作に複数の捏造、盗用…東洋英和院長解雇で名門に打撃! 専門家「受験生への影響も避けられない」

著作に複数の捏造、盗用…東洋英和院長解雇で名門に打撃! 専門家「受験生への影響も避けられない」

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 学校法人東洋英和女学院(東京)は10日、著作に複数の捏造(ねつぞう)や盗用があったとして、学院の院長で同学院大学教授の深井智朗(ともあき)氏(54)を懲戒解雇した。同学院といえば、中学部・高等部が“お嬢様学校”として知られ、タレントやアナウンサーなどを多く輩出している名門校だ。専門家は「受験生への影響も避けられない」と指摘する。

 大学の調査委員会は10日、記者会見を行った。委員長の佐藤智美(さとみ)・同大副学長は「研究者倫理に欠け、不正への認識が甘い」と厳しく指摘し、増渕稔・学院理事長は「院長の要職にある者の不正行為で誠に申し訳ない」と謝罪した。

 深井氏の不正とは、2012年に出版した『ヴァイマールの聖なる政治的精神』(岩波書店)に、実在しない神学者の論文を捏造、引用し、別の文献からの盗用もあったという。15年の論文でも、無関係な資料の使用が判明した。

 調査委に対し、深井氏は「不正ではなく過失だ」という趣旨の説明をし、3月11日付で辞任・退職届を提出していたが、懲戒解雇された。

 深井氏の専門は近代ドイツ宗教思想史で、18年に第19回「読売・吉野作造賞」を受賞、プロテスタンティズム研究では著名な研究者として知られていた。

 大学側の対応について大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は「学校のトップの論文不正はイメージが悪く、受験生への影響が避けられない。また、学生にもリポートや論文で文書を書き写すコピペは禁止と強く呼びかける学校が多いため、迅速な対応に至ったのだろう」と分析した。

 東洋英和女学院は、1884年にカナダ・メソジスト教会から派遣された宣教師によって開校された。中学部・高等部は、東京・六本木にあり、大学も含めた卒業生にはエッセイストの阿川佐和子さん(65)や、モデルで女優の中村アン(31)ら著名人も多く、旧皇族もいる。

 前出の石渡氏は「東洋英和は大学よりも中高が“お嬢様学校”として人気が高い。今回の不正で、中高の人気が落ちる可能性はある」と語る。

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