【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】川崎20人殺傷事件…現場で考えた「マスコミの報道姿勢」 歩道を塞ぎ車道に出るのが当たり前に

【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】川崎20人殺傷事件…現場で考えた「マスコミの報道姿勢」 歩道を塞ぎ車道に出るのが当たり前に

川崎殺傷事件の現場周辺には、メディアが殺到した

 はじめまして! ラジオ局ニッポン放送でアナウンサーをしております、飯田浩司と申します。現在、平日朝6〜8時のニュース番組「飯田浩司のOK!Cozy up!」を担当しています。きょうから毎週火曜日、このコラムを担当します。番組では伝えきれなかったニュースに対する思いや、趣味の鉄道や飛行機の話などを書いていこうと思っています。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 私、プライベートでは4歳の男の子の親ですんで、どうしても気になるのが、川崎市で起こった児童ら20人殺傷事件です。親としては「どう再発防止できるか」に関心があるのですが、一方でマスコミの人間として気になったのは、今回も「報道のあり方」が問われたという点です。

 事件当日、学校側の記者会見で、生徒の撮影やインタビューは控えてほしいと校長先生が要請しました。あるテレビ局は、その瞬間に現場の音声を落としてスタジオトークを始め、ネットなどで「要請を無視か!」と批判されていました。

 そもそも、保護者から要請されること自体、メディアの取材姿勢への疑問が募っている証左でしょう。私も翌日、事件現場へ行ってみましたが、やはり首をかしげる光景が広がっていました。

 現場の歩道には、犠牲者を悼む花束やジュース、お菓子があふれんばかりに供えられていました。歩道は幅1メートル半ほどで、供えられた花々全体を撮ろうとすると、どうしても歩道を塞ぐ形でカメラを向けざるを得ません。

 夕方になるにつれ、歩行者や自転車、それに自動車も増えてきました。ところが、ニュース番組の生中継やリポート収録で、ひっきりなしにマスコミが歩道を塞ぎ、歩行者や自転車が危険な車道に出ざるを得なくなる場面も見られました。

 確かに、理不尽に命を奪われた2人の無念を、あの献花は象徴しています。写真や映像を見て、事件に思いをはせ、「どうしたら、二度とこのような事件を起こさない社会にできるか」という議論のきっかけとするのが報道の意味でしょう。が、それは歩道を避けて車道を歩くというリスクを強いることと引き換えにできるものなのでしょうか?

 何よりも問題なのは、マスコミの人間が「取材なら許される」と甘え、自分たちの取材手法が疑問とともに世間から見つめられていることに無自覚である点です。

 試しに、SNSで「マスコミ 車道」と検索すると、批判とともにマスコミが歩道を塞ぐ画像が出てきます。今までは黒子のように目立たなかった取材者もまた、世間から見られているわけですね。もちろん報じないわけにはいきませんが、方法は考えなくては。そう思わせる現場でした。

 ■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!Cozy up!」(月〜金曜朝6−8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。

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