ゴーン被告、サウジ友人から20億円受領 特捜部が起訴内容一部変更 利益目的の明確化狙いか

ゴーン被告、サウジ友人から20億円受領 特捜部が起訴内容一部変更 利益目的の明確化狙いか

保釈され、東京拘置所を出るカルロス・ゴーン被告(中央)=4月25日午後、東京都葛飾区(桐原正道撮影)

 日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)がサウジアラビアの友人側に日産資金を不正に支出させたとされる会社法違反(特別背任)事件で、東京地検特捜部は14日、約13億円の送金前にゴーン被告が友人側から約20億円の提供を受けていたことが新たに判明したとして、起訴内容の一部を修正する訴因変更を東京地裁に請求した。不正支出の背景を補強することで、自己や友人の利益を図る目的だったことを明確にする狙いがあるとみられる。

 当初の起訴状によると、平成20年10月、私的投資で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたほか、サウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏側へ、21〜24年、子会社「中東日産」から1470万ドル(計約13億円)を送金させたとしていた。原資はゴーン被告が使途を自由に決められるCEOリザーブと呼ばれる予備費だった。

 このサウジアラビア・ルートの特別背任事件の背景については、損失を含む契約を日産から自身の資産管理会社へ戻す際、ジュファリ氏が約30億円の担保を差し入れ、ゴーン被告の信用保証に協力したことだけが記載されていた。

 訴因変更後の起訴状では、ゴーン被告が損失付け替えとほぼ同時期の20年10月、自身の資産管理会社名義の証券口座に、ジュファリ氏側から2千万ドル(当時のレートで約20億円)の提供を受けていたことが追加された。

 関係者によると、この約20億円は、リーマン・ショックで巨額の投資損失を出したゴーン被告への資金援助だったとみられる。

 検察関係者は「これまで約13億円の不正送金が、約30億円の信用保証の謝礼としては高額すぎるとの見方もあったが、約20億円の受領が追加されたことで解消される。さらに特別背任罪の要件である自己や第三者の利益を図る目的だったことなども立証しやすくなる」と指摘した。

 ゴーン被告はオマーンの販売代理店をめぐり、約5億5500万円を自身に還流させたとするオマーン・ルートの特別背任事件でも起訴されている。

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