シーサイドライン逆走は「システム欠陥」 断線未検知、ブレーキ作動せず 同様事故に懸念も

シーサイドライン逆走は「システム欠陥」 断線未検知、ブレーキ作動せず 同様事故に懸念も

「金沢シーサイドライン」の新杉田駅に止まる事故車両=2日午前、横浜市磯子区(佐藤徳昭撮影)

 横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の新杉田駅(同市磯子区)で無人自動運転の車両が逆走、車止めに衝突して14人が重軽傷を負った事故は8日で発生から1週間。事故は運行制御の回路断線が原因との見方が強まり、システム欠陥も明らかになった。自動運転の路線は全国にあり、同様のトラブルが懸念される中、国は事故原因や実態調査を急ぐ。

 事故は1日午後8時15分ごろ発生。5両編成の新杉田発並木中央行きが、折り返しの発車時に逆走し、約25メートル先の車止めに激突して14人が重軽傷を負った。

 平成元年の開業当初、ワンマン運転だったシーサイドラインは、6年からコンピューター制御による無人運転を導入。開業以来、人身事故は初めてだった。

 運営会社が6日に発表した事故原因は「断線」だ。無人運転は、車両側と、駅や地上側に設置された装置が互いに信号を送りあう自動列車運転装置(ATO)で制御する。折り返しの際は、駅から車両に進行方向の切り替えを指示。列車の2号車には装置があり、1号車を経由して、全車両に指示が連動する仕組みだった。

 ところが、100本超の回路の1本が断線し、1号車から全体に指示が伝わらず、全車両のモーターが逆に作動した可能性がある。

 同社は「レアケースの事故」と説明するが、駅側の装置で異常は検知されず、車両の進行方向を示すライトも正常。断線を感知できる仕組みもなかった。異常時に列車を停止する装置は断線で作動しなかったとみられ、同社は「システム上の欠陥だ」と認めた。車両制御に詳しい近畿大の酒井英樹准教授は「断線を検知するすべは、必ず用意しておくべきだった」とする。

 国土交通省によると、運転士が乗車しない無人運転路線は全国に7路線あり、事業者や有識者による検討会を設置し再発防止を図る方針だ。同社や国の運輸安全委員会も調査を進める。

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