沢尻エリカ容疑者所持のMDMA 多幸感得られる「パーティードラッグ」 覚醒剤などにエスカレートも

沢尻エリカ容疑者所持のMDMA 多幸感得られる「パーティードラッグ」 覚醒剤などにエスカレートも

警視庁東京湾岸署から出る沢尻エリカ容疑者を乗せたとみられる車両=17日、東京都江東区(佐藤徳昭撮影)

 麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された沢尻エリカ容疑者(33)が自宅に所持していたとされる合成麻薬「MDMA」は近年、摘発件数が増加傾向にある。摂取すると多幸感が得られるとされ、抵抗感を抱きにくい比較的安価な「パーティードラッグ」としてクラブでの集団乱用など若者への蔓延(まんえん)が懸念されている。

 警視庁組織犯罪対策5課によると、沢尻容疑者の部屋からは、白っぽい粉末状のMDMAが風邪薬のような白いカプセルに入った状態で発見された。「エクスタシー」「バツ」「タマ」などの俗称を持つMDMAは本来、白色の粉末で、着色され絵柄や文字が刻印された錠剤型の形状で密売されるケースもある。

 「錠剤は一見するとラムネ菓子のようで麻薬には見えず、口から飲み込むだけなので抵抗感を薄れさせる。密売価格も1錠数千円程度の場合が多いため入手しやすく、若い世代との親和性が高い」。厚生労働省の元麻薬取締官、小林潔氏はこう指摘する。乱用者は、より強い刺激を求めて覚醒剤などに手を出すことが多く、「ゲートウェイドラッグ(入門薬)」とも呼ばれている。

 MDMAは覚醒剤と似た化学構造で、興奮作用と幻覚作用を併せ持ち、一時的に幸福感や陶酔感を得られる効果がある。一方、乱用を続けると精神錯乱や記憶障害を引き起こすこともあり、場合によっては死に至るケースもあるという。

 元埼玉県警科学捜査研究所乱用薬物科長の雨宮正欣(まさよし)・法科学研究センター所長によると、100ミリグラム前後のMDMA成分を口から摂取すると、体調次第で約1時間後から気分が高まり始め、4〜6時間ほど持続するとされる。

 1980年代に欧米の若者らから広まり、クラブなどでの乱用が問題になった。日本では平成元(89)年に取り締まり対象の麻薬に指定された。

 今年に入ってもMDMAの逮捕者は続出しており、今月10日には警視庁が使用容疑で人気トレーダーの30代男を逮捕。渋谷区内のクラブから出てきた際に尿検査を実施し、陽性反応が出たという。1月には、ファッションモデルの20代女性が神奈川県警に逮捕され、裁判で有罪判決を受けている。公判で女性は「クラブで居合わせた見知らぬ人から入手したこともある」との趣旨の説明をしている。

 警察庁によると、28年に86件だったMDMAなどの合成麻薬の摘発件数は29年に107件、30年は122件となり年々増加。30年に押収されたMDMAは1万2274錠に上り、28年の押収量(5019錠)の約2・5倍に増えている。

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