ゴーン前会長、国際手配も拘束に義務なし 捜査に極めて厚い壁

ゴーン前会長、国際手配も拘束に義務なし 捜査に極めて厚い壁

ゴーン被告国際手配も厚い壁

ゴーン前会長、国際手配も拘束に義務なし 捜査に極めて厚い壁

カルロス・ゴーン被告の住居を家宅捜索後、資料を手に外に出る東京地検の係官=2日午後、東京都港区(飯田英男撮影)

 日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反罪などで起訴=がレバノンへ逃亡した問題で、国際刑事警察機構(ICPO)は日本政府の要請を受け、身柄の拘束を求める手配書をレバノン側に送付した。ただ、レバノン側に手配に応じる義務はなく、引き渡しの可能性は低い。

 レバノンは日本との間で犯罪人引き渡し条約が結ばれていないことから、引き渡しには後ろ向きとみられるが、そもそも、国際法上の慣習として、各国は自国民を外国の法執行に委ねないことを原則としている。

 ただ、ゴーン被告がレバノンを出国した場合、第三国が手配書に応じる可能性もあり、国際手配が全く無意味というわけではない。

 レバノンでの身柄拘束が困難とされる背景には、ゴーン被告が大富豪で多額の寄付などを通じ、同国経済に貢献してきた「英雄」とされていることがある。

 ただレバノンは、アラブの「英雄」とみなしていた日本赤軍メンバーを拘束、国外退去させる形で日本に送還させた過去がある。対象者が日本人で、罪種もテロ関連だった点でゴーン被告と異なるが、日本側は外交上の駆け引きを駆使し、テロリストに厳しかった米国の圧力や国際世論も追い風に「英雄」を放逐させた。ゴーン被告を擁護する政府に疑問を呈する世論もあるため、捜査はそうした状況も見極めながらの外交戦となる可能性が高い。

      ◇

 国際刑事警察機構(ICPO) 1956年に57カ国と地域の警察機関を構成員として発足。日本は52年、前身の国際刑事警察委員会(23年設立)から参加している。フランスに本部を置き、2019年3月時点で194カ国・地域が加盟。警察の国際的な捜査協力を促進し、国際犯罪の防止や解決に向けた活動を支援する。国際手配制度があり、加盟する警察の依頼を受け、国外逃亡者を逮捕するため、身柄の引き渡しを前提とした容疑者拘束などを世界中に呼び掛けることができる。

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