妻との接触制限「これは刑罰じゃないか」ゴーン被告、弁護人に不満漏らす

妻との接触制限「これは刑罰じゃないか」ゴーン被告、弁護人に不満漏らす

弁護人ゴーン被告に理解示す

妻との接触制限「これは刑罰じゃないか」ゴーン被告、弁護人に不満漏らす

カルロス・ゴーン被告=2019年3月12日午後、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

 保釈中にレバノンへ逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反罪などで起訴=の弁護人だった高野隆弁護士が4日、自身のブログでゴーン被告が海外逃亡したことについて見解を明らかにした。高野氏は主な原因は保釈条件で妻、キャロルさんとの面会を原則禁止されたことにあるとし、「この密出国を全否定することはできない」と一定の理解を示した。

 ブログによると、ゴーン被告は東京拘置所に身柄を拘束されていたときから、「そんなことで公正な裁判は期待できるんだろうか」との疑問を度々、口にしていたという。

 高野氏はゴーン被告に「公正な裁判は期待できない。しかし、無罪判決の可能性は大いにある」と説明。しかし、「手続きが進むにつれて、彼の疑問や不安は膨らんでいったようだ」という。

 東京地検はキャロルさんが事件関係者と接触していたことなどを理由に「証拠隠滅の恐れがある」と主張。東京地裁はゴーン被告の保釈に際し、キャロルさん自身も事件関係者であることから接触を制限した。

 高野氏は「国際人権規約に違反することが明白な保釈条件が、どんなに手を尽くしても解除されないことに彼は絶望を感じていた」とし、ゴーン被告は「これは刑罰じゃないか。一体いつになったらノーマルな家族生活を送ることができるんだ」と不満を述べていたという。

 弁護側はキャロルさんとの面会をこれまで数回申し入れ、昨年11月と12月の2回、テレビ会議システムによる面会が許可された。

 高野氏は12月24日に1時間ほど許可された面談に立ち会ったといい、2人は子供たちや親族、友人、知人の近況や思い出話をし、最後にゴーン被告は「君はかけがえのない存在だ。愛してるよ」と言ったという。

 高野氏は「日本の司法制度への絶望をこのときほど強く感じたことはない」とし、ゴーン被告に「一刻も早くこの状況を改善するために私は全力を尽くす」と述べたが、ゴーン被告から返事はなかった。

 この5日後に、ゴーン被告は日本から無断で出国したとみられる。高野氏は報道で海外逃亡を知り、「まず激しい怒りの感情がこみ上げた。裏切られたという思いである。しかし、彼がこの国の司法によって扱われてきたことを思い返すと、怒りの感情は別の方向へ向かった」「彼がこの1年あまりの間に見てきた日本の司法とそれを取り巻く環境を考えると、この密出国を『暴挙』『裏切り』『犯罪』と言って全否定することはできない」とした。

 最後に高野氏は「確かに私は裏切られた。しかし、裏切ったのはカルロス・ゴーンではない」と綴り、日本の司法制度の実態に原因があるとの見解を示した。

 高野氏は昨年3月、ゴーン被告が保釈されて東京拘置所を出る際、作業員の姿に変装するよう計画したことをブログで明かし、「名声に泥を塗る結果となった。申し訳なく思っている」と謝罪していた。

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