【相模原殺傷事件初公判】大半が匿名審理に傍聴席に遮蔽板の異例の措置 8日初公判

【相模原殺傷事件初公判】大半が匿名審理に傍聴席に遮蔽板の異例の措置 8日初公判

植松聖被告=神奈川県相模原市緑区(桐原正道撮影)

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年、入所者19人が刺殺され、職員を含む26人が重軽傷を負った事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判が8日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で始まる。公判では、植松被告の刑事責任能力の有無が争点になるとみられる。また被害者特定事項秘匿制度に基づき、ほとんどの被害者の氏名が伏せられたまま審理され、傍聴席にも遮蔽板が設けられる異例の措置も取られる。

 刑事裁判で被害者の氏名などを伏せて審理できる被害者特定事項秘匿制度は19年の改正刑事訴訟法で新設された。性犯罪被害者の保護を目的とするが、「被害者や遺族の名誉または社会生活の平穏が著しく害される恐れがある事件」も適用対象とされている。

 秘匿は、被害者側の申し出により裁判所が判断。最高裁の統計によると、20年〜30年に秘匿が決定された被害者は約4万1千人に達する。一方で、秘匿が認められなかったのは約590人だったという。

 今回の事件でも、大半が匿名での審理を希望し、横浜地裁は秘匿を決定。ただ被害者が45人にも上るため死亡者を「甲」、けが人は「乙」などと分類した上でアルファベットを割り当てた呼称を用いる。

 また、公判では傍聴席に遮蔽板も設けられ、遺族や被害者家族らが他の傍聴者から見えないようにする措置が取られる。出入り口も他の傍聴者と分けられる。

 一方、公判では、刑事責任能力の有無などが争点になるとみられる。

 植松被告をめぐっては地検が鑑定留置を実施。人格障害の一つである「自己愛性パーソナリティー障害」と診断されたが、地検は完全責任能力があったと判断し、起訴した。

 被告は事件前に措置入院した際、「大麻精神病」とも診断され、逮捕後も尿から陽性反応が出た。こうした状況から、弁護側は薬物性精神障害による心神喪失状態だったとして無罪主張するとみられる。

 判決は3月16日に言い渡される予定。

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 ■相模原障害者施設殺傷事件

 平成28年7月26日未明、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で元職員の植松聖被告が複数の刃物で就寝中の入所者らを襲撃。入所者19人が刺殺され、職員2人を含む26人が重軽傷を負った。横浜地検は植松被告の鑑定留置を実施。人格障害の一つである「自己愛性パーソナリティー障害」などと診断された。その後、完全責任能力があったと判断され、29年2月に殺人など6つの罪で起訴された。

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