ストーカーはコロナと同じ! 被害に遭わないためにすべきこと

ストーカーはコロナと同じ! 被害に遭わないためにすべきこと

彼女らに学ぶリスクマネジメント(※写真はイメージ)

■今まで食事をしたことがない人から


 ストーカーというとニュースのなかの話に感じるかもしれないが、実は誰もがストーカーに遭ったり、時には自分自身が無意識のうちにストーカー行為に手を染めてしまったりする可能性がある。ストーカー問題に詳しいカウンセラーの小早川明子氏に、対策方法を聞いた。ストーカー対策はコロナ予防に通じるところがあるという。自身もストーカー被害の経験を持つ西谷格氏によるレポート。

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 ストーカーと隣り合わせの職業がある。

「例えば酒席などで接客を行う女性たちは、お客さんからストーキングされる危険性に常にさらされているので、リスクマネジメントが徹底しています。相手が良いお客さんでいる間に、情報をかき集めておくのです。居住地や家族関係、誕生日、職場、車のナンバーなど。でも、自分の情報はLINEを教える程度で、住まいや最寄駅などはボカしておく。それでも楽しい雰囲気を作り、良好な関係を続けるのです」

 いざとなった時には、集めておいた情報がすべて有力な武器になる。いつでも相手をブロックして逃げられる、あるいは撃退できる体制を作っておくのである。

 通常の人間関係では、一対一の食事は慎重にすべきだという。

「今まで食事をしたことがない人から食事に誘われたら、恋愛対象として関心を持たれている可能性があると思って警戒したほうがいい。最初はお茶から始めて、様子を見ながら人間性を見極めましょう。お酒を飲むなら、1年ぐらい四季折々の様子を見てからでも遅くないと思います」

 そこまでしないといけないのか! と驚く人もいるかもしれないが、女性はそのぐらい慎重でも良いのかもしれない。


■メッセージの連投は


「私のアドバイスは、もしかしたら極端かもしれません。でも、ストーカー被害に遭った人たちのことを考えると、そう言わざるを得ないんです。コロナに何が何でもかかりたくなかったら徹底的に対策をしないといけないのと同じように、ストーカーに何が何でも遭いたくなかったら、一対一の食事は警戒したほうがいい」

 男性の場合、むしろ食事をした後のことに警戒せよという。

「男性は女性との食事について、そこまで警戒しない人がほとんどでしょう。でも、男性も注意が必要です。恋愛関係になって性行為をすると、女性でも強くなるということを忘れてはいけません。性行為があると、その後にストーカー行為を受けても世間はなかなか男性の味方になってくれない。もちろん、性行為があったからといってストーカー行為をしていいはずはないのですが」

 現在は、スマホでいつでも連絡が取り合える環境にある。気になる相手に、ついしつこくメッセージを送ってしまった経験は、わりと多くの人に当てはまるのではないだろうか。

 だが、度を過ぎればストーカー行為となる。どこまでが正常の範囲だろうか。

「3日経っても返事がない、あるいは、3回同じようなメッセージを送っても返事がない。こんな状況であれば、きっぱりと諦めたほうが良いでしょうね。相手に関心があったら、3日も放っておかないですから。“私はあなたに興味がありません”というメッセージを、非言語コミュニケーションで伝えられていると思ったほうがいい」


■スマホを使うというより


 逆に、何度もアプローチされて嫌だと感じたら、一度はきっぱり断ったほうが良い。

「無視を続けるより、できればアサーティブな表現(=曖昧な言い方をしない“明確な自己表現”)で『私はあなたに興味がありません』と言ってあげるほうが親切かもしれない。一度断ってそれでも連絡が来るようなら、『ご返事は致しません』と伝えて無視やブロックでも良いと思います」

 相手がしつこく食い下がって来ても、安易に言い返さない方が良さそうだ。

「相手の土俵に乗ってしまうのは、良くありません。『何と言われても私の気持ちは変わりません。連絡お断り致します』と繰り返し、数回経たところでブロックするか、警察や弁護士に相談しましょう」

 スマホとは上手に付き合いたい。いつでも誰かと“繋がれる”現代社会は、ストーカー気質の人間にとって、病態を加速させやすい環境にあると言ってもいい。

「LINEなどのチャットアプリ、ツイッターやフェイスブックなどのSNSは、人間同士の縁を良くするというより、縁を悪くする存在じゃないかとすら思います。もちろん使い方次第ではあるのですが、スマホを使うというより、スマホに“使われている”人も少なくありません」

 対人関係に注意を払い、ストーカーの被害者にも加害者にもなりたくないものである。

(※ストーカー被害に遭った男性被害者の方がいれば、nishitani.tadasu@gmail.comまでご一報ください)

西谷格
1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学社会科学部卒。地方新聞「新潟日報」の記者を経て、フリーランスとして活動。2009〜15年まで上海に滞在。著書に『ルポ デジタルチャイナ体験記』(PHPビジネス新書)など。自身もストーカー被害の経験を持つ。メールアドレスはnishitani.tadasu@gmail.com

デイリー新潮取材班編集

2021年5月24日 掲載

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