【東京五輪】「朝日」「毎日」と「読売」でこんなに違う報じ方 菅政権との距離が原因か

【東京五輪】「朝日」「毎日」と「読売」でこんなに違う報じ方 菅政権との距離が原因か

五輪 新聞社で報じ方に違い

【東京五輪】「朝日」「毎日」と「読売」でこんなに違う報じ方 菅政権との距離が原因か

読売vs朝日・毎日の傾向が鮮明だった7月23日の朝刊

■反対vs.賛成


「13歳、真夏の大冒険」──スケートボードの女子ストリートで、西矢椛(13)が金メダルを獲得した。その時の実況が話題になるなど、東京五輪は盛りあがりを見せている。

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 だが今年5月、朝日新聞が「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」との社説を掲載したことは記憶に新しい。

 6月21日、国際オリンピック委員会や東京都、政府などによる5者協議が開かれ、「競技会場の収容定員の50%以内、上限1万人まで観客を入れる」ことを確認した。

 五輪を中止するどころか、有観客による開催を決めた。これに朝日新聞は反発した。翌22日に掲載された社説で「五輪の観客 科学置き去りの独善だ」と批判した。

 毎日新聞も同じ論調だった。同日に掲載された社説は「五輪の『有観客』方針 安全軽視の無責任な判断」という見出しだった。

 一方、政権に近いとされる読売新聞の社説は「五輪1万人収容 観客の直行直帰を徹底したい」という見出しだった。観客の上限が決まったことを《五輪の準備も本格化する》と評価。観客が競技場から直帰すれば、感染抑止が期待できるとした。

「俗に『朝毎読』と言いますが、全国紙を代表する3紙のうち読売は五輪賛成派、朝日と毎日が反対派となったのが、6月22日の社説だったと思います。その後、有観客は撤回されて無観客が決まりましたが、朝日と毎日のスタンスは変わりませんでした」(担当記者)

 東京五輪は7月23日に開幕したが、この日の朝刊も3紙の紙面は対照的だった。

 読売新聞は1面トップで大きく「東京五輪きょう開幕」と掲げ、前日にサッカー男子(U-21)が南アフリカ戦を1−0で制したことを「サッカー男子 白星」と報じた。


■森喜朗のスクープ記事


 写真はゴールを決めて喜ぶ久保建英(20)を使い、その横には編集委員の「選手の勇気に敬意」という署名コラムも掲載した。

 東京五輪の開催を祝うというポジティブな紙面なのは明白だ。そして左端に「開会式演出 小林氏解任 過去にユダヤ人虐殺やゆ 組織委」という見出しが掲載された。

 ご存知の通り、元「ラーメンズ」の小林賢太郎氏(48)が過去のコントで、ホロコーストを揶揄するセリフを言わせていたとして解任された問題だ。

「ところが朝日と毎日は、小林氏の解任を1面トップに持ってきました。不祥事や混乱を強く打ち出すことで、五輪に対する批判的なスタンスを鮮明にしたわけです。更に朝日は『組織委 森氏復帰を検討 「名誉最高顧問」政府内に反対論』というスクープ記事も1面に掲載しました。女性蔑視発言で組織委会長を辞任した森喜朗氏(84)が“名誉”を回復してしまう可能性があると報じたわけです」(同・記者)

 朝日新聞は更に「東京1979人感染 全国では5397人」の記事も1面に収容し、危機感を訴えることも忘れなかった。

 毎日新聞も「商業色濃く 遠い平和理念」という記者の署名コラムを掲載した。日本は64年東京五輪の《幻を追いかけてきた》とし、《約半世紀ぶりの祭典は人権感覚や社会的な課題において世界との差を痛感させる舞台となった》と綴った。


■阿部兄妹の報道


「開幕式の翌日、7月24日の朝刊で読売新聞はシンプルに『東京五輪 開幕 コロナ厳戒下 57年ぶり開催』と大きな見出しを打ち、日本選手団が入場する写真を大きく使いました。一方の朝日新聞は『東京五輪 コロナ下の開幕』、毎日が『東京五輪開幕 1964年以来2度目 コロナ下 無観客』と、醒めたトーンを全面に出しました」(同・記者)

 ところが7月26日の朝刊を見ると、朝日新聞が“方針転換”を試みたことが分かる。

 この日、読売新聞の1面トップでは「阿部兄妹『金』」と大きな見出しが躍った。柔道の阿部一二三(23)と妹の詩(21)が金メダルを持った2ショットも同じように大きい。

「毎日新聞の1面トップは『厳戒下の祭典で』というキャンペーン記事でした。見出しは『「我慢しても変わらない」渋谷の夜 人減らず カラオケ店に列/路上で飲酒』というものでした。内容も同じで、緊急事態宣言下でも賑わう渋谷の夜を記者が歩き、ルポ的に報告するというものでした。阿部兄妹の金メダルは左側に押しやられており、東京五輪に批判的なスタンスが維持されていることが分かります」(同・記者)

 そして最後の朝日新聞なのだが、1面トップは「兄妹で『金』家族とともに」と、やはり阿部兄妹の金メダル獲得を大きく報じたのだ。


■3紙ともスポンサー


 おまけに、1面の真ん中には「第3日 日本のメダル」のコーナーがあり、25日には4つの金メダルを獲得したことも明記されている。なかなかの“手のひら返し”な紙面構成なのだ。

「7月28日からは東京の感染者数が増加しているので、1面トップはコロナですが、その下半分は金メダルラッシュを詳報しています。結局のところ、五輪そのものの問題というより、菅政権に対するスタンスで3紙のスタンスは決まったと思います。菅首相に批判的な朝日と毎日は五輪にも否定的、政権に近いとされる読売は五輪も肯定的ということでしょう。とはいえ、3紙とも五輪のスポンサーなのです。五輪が盛り上がっていると判断すれば、朝日だけでなく毎日も“手のひら返し”の紙面になってもおかしくないでしょう」(同・記者)

デイリー新潮取材班

2021年8月1日 掲載

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