石倉洋子デジタル監 著書で明かした「ファーストクラスへのアップグレード方法」が不評を買うワケ

石倉洋子デジタル監 著書で明かした「ファーストクラスへのアップグレード方法」が不評を買うワケ

9月1日、デジタル庁の発足式で挨拶する石倉洋子デジタル監

 就任早々、素材サイトの画像を公式ウェブサイトに無断転載していたことが発覚し、世間を呆れさせたデジタル庁デジタル監の石倉洋子氏(72)。今度は彼女の「人間性」を疑問視する声が航空業界から聞こえてきた。著書で、“ゴネ得”とも受け取れかねない「ファーストクラスへのアップグレード方法」を自慢げに語っていたというのだ。

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■海外ではダメ元が当たり前


 問題の発言は、ネット上でも確認できる。「デジタル監・石倉氏が語る センス良く主張するために大切なこと」(9月6日付「日経ビジネス」電子版)。石倉氏の著書『世界で活躍する人の小さな習慣』(日経ビジネス人文庫)を一部抜粋、編集したものだという。

 まずは、その“センス良い主張”とやらを伺っていこう。

〈日本では、提供されているサービスが当たり前、常識と思われて、決まっていることが多いので、それからあえて違う行動をとろうという気にもならないかもしれません。でも、海外では一般的に自由度が日本より高いようなので、「ダメで元々」と頼んでみたり、聞いてみたりすることをおすすめします。〉

〈たとえば、レストランのメニューに載っていないものでも「◯◯はできますか?」と聞いてみると、「できる」と言われることもよくあります。また、「山羊のチーズは嫌いなので、ほかのチーズに替えてほしい」「つけあわせのフレンチフライを別の野菜にできないか」などと頼むと、多くの場合、対応してくれます〉

 さすがは、商船三井、日清食品ホールディングス、富士通などの名だたる大企業の社外取締役を歴任してきたとあって、高級レストランに通い慣れているようだ。日本人は、ついこういう場面で遠慮しがちだが、海外ではこういった“主張”は当たり前なのだろう。


■赤ちゃんを連れた客


 だが、聞き捨てならないのはここからである。話は飛行機に変わる。

〈飛行機の座席など事前に座席指定をしていても、チェックインカウンターで、もっと良い席(前方、座席の前のスペースが広いなど)はないかと聞くと、探してくれることがしばしばあります。もちろん変更できない時もありますが、何も聞かないと何も始まらないので、一応聞いてみる。実際、私は最近ニューヨークを往復したのですが、行き帰りとも良い席に替えてもらうことができました。求めないと何も始まらない、少なくとも自分の希望を伝えることが大事なのです。〉

 そして、具体的な成功体験に話へと及んでいく。

〈以前、こんなことがありました。事前に座席を指定していたのですが(ビジネスクラスの一番前の通路側で、私が好きな席)、チェックインをしようとしたところ、航空会社の人に「席を替わっていただけませんか」と聞かれたのです。どこに移るのか聞くと、同じ列の反対側(左ではなく、右側のビジネスクラス一番前の通路側)だったので、「いいですよ」と返事をしました。〉

〈「ところで、なぜ?」と聞いたところ、「赤ちゃんをつれた乗客がいて、あなたが予約していた席の前に、赤ちゃんを寝かす台があるから(反対側にはついていない)」と言われました。〉

 石倉氏にとって、こういう「譲り合い」が求められる場面ですら、“チャンス”だったというのだ。

〈「何だ、そういうことか」と思ったのですが、ついでに、「替えるなら、ファーストクラスに替えてくれてもいいのだけど(笑)」と言ってみました。ほんの冗談のつもりだったので、その時は、スタッフと笑っただけで終わり、すっかり忘れていました。しかし、ゲートに行ったら、ファーストクラスの搭乗券が待っていたのです!〉


■某大手紙にもいた


 航空会社の関係者が呆れて語る。

「どこがセンスの良い主張なのでしょうか……。私たちは、こういう立場のあるお客様からの無茶な要求に頭を抱えるのです。当然、正規の値段をお支払いいただいている他のお客様の手前、特定のお客様に対してだけアップグレードする特別扱いはできません。ただ、実際のところ席に空きがある場合、トラブルを避けて融通を利かせてしまうことが多々あります」

 報道関係者にもたまにいるそうで、

「某大手紙の編集委員は、広報に『今度、欧州に出張するんだけれどもCクラス(ビジネスクラスのこと)なんてどうかな』と図々しく言ってきた。彼は当時、航空行政について記事を書いていたので、機嫌を損ねて筆を走らされてはいけないと考え、担当者はエコノミークラスからビジネスクラスへアップグレードしていました」

 では、石倉氏の場合はどう判断されるのだろうか。

「政府に顔が効く大学教授だった石倉さんは、航空会社から見て間違いなく“政治銘柄”です。ご本人は『ほんの冗談のつもりだった』なんて語っていますが、現場の接客担当者が慌てて上司に相談し、アップグレードの手配をしたのでしょう」

 石倉氏にとっては“センスの良い主張”だったのかもしれない。だが、海外であろうとも一流の人間は、このような相手の窮状に付け入るような無粋な”主張”はしないのではないか。サービスに見合った対価をきちんと払う。それが大人の作法でもあろう。今後は“ごっつぁん体質”を改め、奉仕の精神で仕事に邁進していただきたいものだ。

デイリー新潮取材班

2021年9月11日 掲載

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