世界大学ランキング、200位以内に「東大京大だけ」の惨状 中国から10校、韓国から6校がランクイン

世界大学ランキング、200位以内に「東大京大だけ」の惨状 中国から10校、韓国から6校がランクイン

35位の東大

 母校の評価を気にするムキは、先ごろ英国の教育誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)」が発表した世界大学ランキングをご覧になっただろうか。

 教育環境や研究成果、国際性など13の指標で測るこのランキング。トップテンには米英の大学が並び、日本の大学はようやく35位に東大、61位に京大が登場する以外は、200位までにどこの名も見当たらない。

 それでも東大は昨年より順位を一つ上げ、現在の指標が導入された2016年以降で最高位。新聞各紙は「東大35位に上昇」と前向きに報じた。『世界の大学ランキング:これでいいのか日本の大学』の著者、鈴木憲也氏に訊くと、

「こうした大学の順位付けが20種ほどある中で、『THE』は3大ランキングの一つとされ、最も信頼性が高い。評価要素のうち6割を教授の研究実績、つまり英語での論文等が占めますが、これは日本の人文系大学・学部には不利に働く。日本の法律や歴史を英語で論文にする意味が薄いからです。だから、例えば一橋大学は評価が低くなってしまう」

 ランキングの対象は約100カ国・地域の計1662大学で、そこには米国の183校に次いで日本から118校が名を連ねるが、たしかに一橋大は入っていない。理系偏重だとの批判も聞かれるものの、さりとて200位までに2校だけとは寂しい、と語るのは、「THE」誌に直接取材した在英国際ジャーナリストの木村正人氏だ。

「トップ200校を見ると、米国から57校、英国から28校。アジアでは中国から10校、韓国から6校が入っています。人口や経済力を考えれば、日本から7校ほど入っていておかしくない」

 何がいけないのだろうか。

「東大の一強化、一極化が進み、国内での競争が停滞していることでしょうか。運営費交付金の額も東大が突出している。その点、英国の研究者は、どの大学にいてもいい論文さえ書けば予算がもらえ、そうした仕組みがひいては大学間に競争をもたらしている。日本は大学の数が多すぎるので、もっと減らして個々の規模を大きくするのも一つの手でしょう。英国では一つの学科に研究室が100ぐらいある例も珍しくありません。いろんな角度からの研究が糾合され、新しい成果が生まれることに繋がっています。若手にもっとチャンスを与えるような環境も必要ですよね」

 今や大学は世界から人材を集める時代。注目されるには200位入りが必須とか。日本の大学の地盤沈下が、国力の低下と表裏一体だと思えばなおさら……。

「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載

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