大谷翔平のMVP説に納得 時折ネットで出会う鋭い指摘(中川淳一郎)

大谷翔平のMVP説に納得 時折ネットで出会う鋭い指摘(中川淳一郎)

イラスト・まんきつ

 事実か幻かよく分からない2021年の大谷翔平のシーズンが終了しました。打者としては、.257、46本塁打、100打点、26盗塁、8本の三塁打と20敬遠はリーグトップです。出塁率は.372で長打率は驚異の.592。これらを合わせた打者としての指標を表すOPSは.965。投手として、23試合に登板し、9勝2敗、130回3分の1投げて156奪三振、防御率3.18。

 アメリカンリーグMVPは大谷かブルージェイズのゲレーロJr.の2人が候補とされています。ゲレーロJr.は.311、48本塁打(本塁打王)、111打点、4盗塁、OPSは1.002。

 最終試合の後、ネットではどちらが取るかの議論も発生。当然日本では、大谷を推す声が多かったものの、以下のような意見には「確かに」と思わされました。

「過去のMVPの成績にはゲレーロJr.レベルもいるので彼のMVPには納得。だが、大谷の26盗塁というのも合わせるとMVPとしてのレベルは均衡。あとはゲレーロJr.の守備力と大谷の投手力の比較となる」

 確かに大谷の打率は低いのでその点で不利な面はありますが「総合力」の観点からすると、どう考えてもMVPになるように思えます。何しろ、リーグ3位の本塁打数の強打者なわけで、弱いチームのエース投手なのですから。21年のMLBの年俸1位は大谷の同僚・トラウトで39億円。19年には45本塁打を打っていましたが、今年はケガもあり36試合の出場、8本塁打に終わりました。

 今年の大谷の活躍については、トラウトの39億円以上なのは間違いないわけで、そう考えるとMVPは大谷では。私も当初はゲレーロJr.の方が有利かと思いましたが、ネットの冷静な分析で考えが変わりました。

 それにしてもネットでは時々ハッとするような指摘に出会うことがあります。最近はすっかり「ポエム大臣」と呼ばれるようになった元「セクシー大臣」の小泉進次郎・前環境大臣。同氏は20年7月にプラスチックゴミ削減のためにレジ袋を有料化しましたが、これがえらく不評。全国スーパーマーケット協会が20年9月に万引きの調査をしたところ、「かなり増加」が5%、「やや増加」が26%だったそうです。千葉日報は、21年9月、「レジ袋有料化で万引深刻 旭のスーパー『被害数倍に』 マイバッグ使い大胆手口」という記事を出したように、レジ袋有料化に伴い、万引き(というか窃盗)が深刻な問題になっています。

 こうした際にネットで指摘されるのは「レジ袋を導入したそもそものきっかけは万引き防止のためだった」なんて意見です。もしこれが本当だとしたら小泉氏、一体スーパーいじめをして何になるのでしょうか。

 そんな小泉氏ですが、大谷が46号本塁打を打った後に再びネットで話題となりました。今春、温室効果ガスを30年までに13年比46%減にする目標を掲げた理由を「おぼろげながら浮かんできたんです。46という数字が」と説明し、苦笑されたのですが、実は大谷の本塁打数を予想していたのでは……と。んなワケない!

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ。ネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』等。

まんきつ
1975(昭和50)年埼玉県生まれ。日本大学藝術学部卒。ブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」で注目を浴び、漫画家、イラストレーターとして活躍。著書に『アル中ワンダーランド』(扶桑社)『ハルモヤさん』(新潮社)など。

「週刊新潮」2021年10月21日号 掲載

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