クロスボウ規制強化で950丁を回収 兵庫では所持者の3分の2は回収に応じず

クロスボウ規制強化で950丁を回収 兵庫では所持者の3分の2は回収に応じず

これからは自由に所持できない

 兵庫県宝塚市で家族ら4人が殺傷された昨年6月の事件を機に、規制強化を求める声が広まった洋弓銃クロスボウ(ボウガン)。その所持を原則禁止とする改正銃刀法が6月16日に公布され、全国の警察で無償回収を始めたところ、9月15日までの3カ月で計950丁が集まった。愛知で115丁、北海道78丁、兵庫65丁、東京61丁などである。

 しかし、そもそもこの回収の件は十分に周知されていたか。兵庫県警は、

「地元局で月1度放映している『こんにちは県警です』というテレビ番組で回収の話題を取り上げ、ラジオ局にも協力してもらって5回ほど告知を行いました」

 というが、これは例外的。

「県警のHPやツイッターでの告知や、公的機関、商業施設でのポスター掲示を実施しています」(愛知県警)

 といった“地味”な広報活動に甘んじたのが多くの県警の実際のようだ。

 差し出された950丁が、まだ全体のごく一部であることは疑う余地がない。

 改正銃刀法の施行は来年3月15日。以後、クロスボウの所持は許可制となり、使途は競技や動物への麻酔投与などに限られ、それ以外は廃棄、もしくは許可を得た者への譲渡を迫られる。

 違法所持者は3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となるものの、

「クロスボウの威力がどの程度以上なら規制されるのか、具体的には内閣府令で定められます。でも内容が決まっておらず未発令なこともあり、所持者の大多数は模様眺めを決め込んでいるのでは」(警察関係者)


■法改正についての周知が進まず


 事実、兵庫県では昨年の事件を受け、条例で届け出を義務付けたところ、216丁の届け出があったが、前述のように今回、回収されたのは65丁。県では届け出のあった所有者に通知を送付したが、応じたのは3分の1に留まるわけだ。

 クロスボウはネットなどを通じて年千丁超が販売されていたとか。競技団体の日本ボウガン射撃協会も、こう言う。

「クロスボウ競技を始めたいと問い合わせをしてくる方で、許可制になることを知らない人もいます。法改正についてまだまだ周知されていないと感じます」

 クロスボウ所持に関する警察庁の有識者検討会委員を務めた、防犯問題に詳しい「ステップ総合研究所」の清永奈穂所長は、

「2009年の銃刀法改正でダガーナイフが禁止された際、回収本数の約7割が駆け込みでした。各県警とも告知には努力されているでしょうが、『回収終了まであと10カ月』『あと9カ月』とカウントダウンして期限も知らせるような方法もひとつの案かと思います」

 コトは治安に関わるのだ。

「週刊新潮」2021年10月28日号 掲載

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