マイナンバーカードでの接種証明書申請がスタート デジタル庁の狙いは?

マイナンバーカードでの接種証明書申請がスタート デジタル庁の狙いは?

まだ交付率は4割に届かない

 これからは、外食するにも映画を観に行くにもスマホでピッと接種証明書を読み取らせる時代になるのかもしれない。

 コロナ禍でストップしていた消費活動を再開するためには、まず「安心」が必要だ。そのため、ワクチンの接種証明書(ワクチンパスポート)は、さまざまな場で必要になりそうだ。デジタル庁は、その接種証明書をスマホで交付する計画を進めているが、申請にあたってマイナンバーカード(以下マイナカード)を必須とする方針を示したのは10月19日のこと。スマホには2次元コードが表示され、氏名、生年月日、ワクチンメーカー、ロット番号、接種日などが一度に読み取れるようになる。デジタル庁の担当記者が説明する。

「ワクチンの接種証明書そのものは、国外への渡航者用に今年の夏から発行されています。一方、10月末からは飲食店の時短解除などが始まった。それに伴って飲食店やイベント、ライブなどの会場に入る際、接種証明の提示を求めることが予想されています」


■デジタル庁の実績づくり


 これまで接種証明書の発行には健康保険証や、運転免許証、マイナカードなど身分証明書が求められた。しかし“スマホ版接種証明書”については、マイナカードがなければ申請できない。でも、なぜマイナカードなのだろう。

「いうなればデジタル庁の実績作りです」

 とは前出の記者。

「マイナカードの交付が始まって5年以上経ちますが、その間、5千円分のポイントを配ったり、クレジットカードとの紐づけ、また保険証としても使えるようにするなど、政府はあの手この手で普及に努めてきました。しかし、交付率はいまだ38.4%というのが実情です」

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏によれば、

「マイナカードを保険証として使えたとしても、盗まれた時のリスクが増すだけ。政府による“普及策”は、あまり普及に役立ちませんでした」

 で、新しくマイナカードの普及業務を担うデジタル庁が一計を案じたわけか。

 それにしても、わざわざマイナカードでの申請に限定したところで交付率が上がるとは限らない。デジタル庁ではスクリーンショットなどによる偽造防止対策を取るとしているが、まだ3割近くいる未接種の国民を意味もなく排除するだけではないのか。

「週刊新潮」2021年11月4日号 掲載

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