晴海フラッグが販売再開も専門家は「資産価値は危うい」 まるで“陸の孤島”…最寄り駅まで徒歩20分以上

晴海フラッグが販売再開も専門家は「資産価値は危うい」 まるで“陸の孤島”…最寄り駅まで徒歩20分以上

完売はいつになる?

 東京五輪・パラリンピックの閉幕から早2カ月。余熱の引き始めた今になって、再び注目されている“五輪レガシー”が「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」だ。選手村として使用された総数5632戸(分譲4145戸)の大規模マンション群の正式名称で、近く販売再開の運びとなり、“今年最後の掘り出し物件”などと話題をさらっているのだ。

 東京都と三井不動産や野村不動産など大手デベロッパー11社が開発を手掛ける一大プロジェクトだが、三井不動産に聞くと、こう手応えを口にする。

「2019年中に940戸を販売し、11月中旬に新たに数百戸規模で販売再開する予定です。8月下旬からモデルルームを公開し、大変好評をいただいております」(同社広報部)

 銀座まで2.5キロの距離や、東京湾などを一望できるロケーションが評判だが、晴海フラッグの最大のウリは何といっても“安さ”にある。周辺の新築物件であれば、70平方メートル前後で分譲価格は8千万円を超えるが、同マンションなら6千万円台で購入可能。


■まるで陸の孤島


 しかし「問題はその理由にある」と話すのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏。

「最寄りの大江戸線・勝どき駅から晴海フラッグまで徒歩16〜21分とされますが、実際は玄関から駅ホームまでの“ドアツードア”だと最短でも20分以上、棟によってはもっとかかる。虎ノ門や新橋間を結ぶ輸送バスも運行予定ですが、利便性は未知数のまま。“陸の孤島”さながらの環境にあるため、マンションとしての資産価値を考えると非常に危うい。入居日までに完売できるか、業界内でも懐疑的な声が出ています」

 同物件の引き渡しは24年3月下旬から開始の予定。当初は23年春だったが、東京五輪が1年延期されたことに伴いズレ込んだのだ。

 しかし事前説明なしの決定だったため、突然知らされた購入者のうち、不信感を抱いた約30人が三井不動産など売り主側を相手に今年2月、民事調停を申し立てた。

 買い手側の代理人を務める轟木博信弁護士の話。

「10月13日付で調停は不成立に終わりましたが、この間、“なぜ23年春の引き渡しが不可能なのか”といった我々の問いに対し、売り主側から合理的な説明は一切なく、また引き渡しを当初の契約通りに履行するための努力をした形跡もなかった。現在は23年の引き渡しを求める『将来給付の訴え』を東京地裁に起こす準備を進めているところです」

「週刊新潮」2021年11月11日号 掲載

関連記事(外部サイト)