日大・田中理事長逮捕 入院先から会議に出席して「オレは絶対大丈夫」、ちゃんこ屋兼自宅から「帯封付きのキャッシュ」

日大・田中理事長逮捕 入院先から会議に出席して「オレは絶対大丈夫」、ちゃんこ屋兼自宅から「帯封付きのキャッシュ」

ついにメスが入った理事長を頂点とする利権のシステム

 日本大学の田中英壽前理事長(74、1日に辞任)が、大学の取引業者から受け取ったリベートなど1億2000万円を税務申告せず、約5300万円を脱税したとして、所得税法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された。捜査の背景と今後の展望は――。


■日大から4億2000万円が流出


 コトの発端は、日大医学部の付属病院の建て替えをめぐる背任事件だった。

 田中前理事長の側近だった井ノ口忠男元理事と大阪の医療法人の籔本雅巳元理事長が共謀し、計4億2000万円を籔本前理事長側に流出させ、日大側に損害を与えた背任罪で2度にわたって逮捕・起訴された。

「井ノ口、籔本の両被告が、その流出させたカネのうち1億2000万円分を田中前理事長に上納していたのではないかという構図だと特捜部は見ています。主たる上納は籔本被告によるもので約7500万円、取引業者から約4000万円、残りの数百万円が井ノ口被告というものだったといいます。関連業者の医療機器が日大の付属病院で使われることになった謝礼や、工事を受注できたことへの返礼だということでした」

 と、社会部デスク。

 両被告は特捜部の調べに対し、田中前理事長側に現金を提供していたことを認めている。加えて、上納した資金の一部である3000万円の原資に日大の資金が流用された疑いが出てきたのだった。

「籔本被告は、“日大から付属病院の建て替えに関する業務を受注した業者より自分の会社に2億2000万円が振り込まれた直後、田中前理事長にカネを渡した”と供述しています」


■森本元特捜部長が次席検事として指揮


 それらの供述をもとに、特捜部が関連先として田中前理事長のちゃんこ屋兼自宅を家宅捜索したところ、2億円もの現金が見つかったというわけだ。

「一部は帯封が付いていたそうです」(先のデスク)

 特捜部長としてカルロス・ゴーンなどを逮捕・起訴した森本宏氏が、今回は東京地検次席検事となって捜査を指揮している。特捜部としては、背任事件の頂点に田中前理事長が立っているものと見て捜査を進めてきたが、

「背任容疑では、田中前理事長の身柄を取るのは難しいのではないかと言われてきました。井ノ口、籔本両被告は大学からのカネで自身も潤うという構図を作り上げたわけですが、一方で田中前理事長側に細かな資金の流れを説明していなかったからです」(同)

 そこから特捜部の捜査は「田中前理事長が実際にカネを受け取っていたのか」にシフトしていく。

「田中前理事長は任意の取り調べに対して否認を続けていました。しかし、両被告の供述や関係者の証言、出入金記録などから特捜部は“受け取ったのは間違いない”と踏んだのです。これまで脱税で身柄を取るのは1億円以上というのが通り相場だったのですが、過去にも前理事長は受け取ったカネを申告せず修正申告をしていたことがあり、“すでにイエローカードが出ている状況だった”という指摘もあります」(同)


■帯封の意味とは?


 特捜部の捜査が迫る中でも、田中前理事長は表向き強気の姿勢を崩さなかったという。

「日大の付属病院に入院中でしたが、健康には問題なく、毎月第1金曜日に行われる校友会の常任会に出席していました。自身が会長を務めるその常任会では副会長らを前に、“オレは絶対大丈夫”と話し、逮捕はされないとアピールしていたとか。両被告がリベートの提供を供述していることは当然耳に入っていたのでしょう。『日大の天皇』として長らく君臨してきたプライドとその座が脅かされている不安とが見え隠れしていたようです」(先のデスク)

 今後の見通しについて聞くと、

「リベートの受け取りについて田中前理事長は否認を続けるはず。起訴され、裁判となった際には、ヤメ検などを動員した弁護団が無罪を主張、検察と全面対決となるのは必至。先ほど一部に帯封が付いていたと言いましたが、これをもとに“オレはカネには手をつけていない”と訴えるのかもしれないですね」(同)

 もちろん検察側も手をこまねいているはずがなく、

「ちゃんこ屋の女将を務める田中前理事長の妻は特捜部の捜索の後に緊急入院したようですが、彼女が何も知らなかったはずがなく、証拠を突きつけ揺さぶりをかけるでしょう。大学を食い物にしてきた理事長を頂点とする利権のシステムを徹底的に解明しようというわけです」(同)

 脱税額を5300万円から積み上げて「1億円超え」も諦めていないという。

デイリー新潮編集部

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