政府答弁が明らかにした「日本の銀行」の「北朝鮮制裁」破り アメリカからペナルティの可能性も

政府答弁が明らかにした「日本の銀行」の「北朝鮮制裁」破り アメリカからペナルティの可能性も

朝鮮総連本部ビル

■コルレス契約


 民主党政権下で拉致問題担当大臣を務めた松原仁代議士が、2019年5月7日から3回にわたり「質問主意書」を安倍内閣に提出した。「日本の銀行が、アメリカの金融制裁の対象である朝鮮総連の幹部らと取引してもいいのか」との内容だ。対する政府答弁は、「日本の金融機関には、海外拠点も含めグループで一貫して、顧客の氏名等を関係当局による制裁リストと照合することを求める」というものだった。

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 あまり報じられていないが、この政府答弁は画期的である。日本の銀行は、在米支店が取引を禁じられている制裁対象者とは日本国内でも取引してはならないことを示したのだ。

 松原代議士に聞くと、

「ある国から別の国へドル送金しようとすれば、必ずアメリカの銀行を経由しなければならない。これをコルレス契約というのですが、その際、FRBなどアメリカの金融規制当局が常にチェックする仕組みになっています」

 それゆえ、テロなどの不正にかかわる相手に口座を提供した銀行は、コルレス契約を破棄されてドル送金不能になったり、莫大な「罰金」を科されたりする。

「実は、日本国内には北朝鮮の国会議員が5名いることがわかっています。少なくとも、その5人はアメリカ大統領令に記された制裁対象者の“北朝鮮政府の当局者”なのは間違いない。日本の銀行がその5人と取引があれば、米国からペナルティを受ける可能性も生じるのです」(同)


■北朝鮮政府の当局者


 北朝鮮では19年3月10日、日本の国会にあたる「最高人民会議」の選挙が実施され、任期5年で687人の代議員を選出。そのうち、朝鮮総連の許宗萬(ホジョンマン)議長、南昇祐(ナムスンウ)副議長、姜秋蓮(カンチュリョン)副議長、在日朝鮮商工連合会の朴忠佑(パクチュンウ)会長、朝鮮大学校の韓東成(ハンドンソン)学長が在日の国会議員である。

 例えば、民間調査会社によると、朴会長が経営するパチンコ関連会社は北朝鮮系のハナ信組と三井住友銀行から合せて7億円近い運転資金の融資を受けている。三井住友銀行はニューヨークに支店を構えているため、政府答弁通りなら、朴会長の会社と取引を停止しなければならなくなる。

 さらには、在日の国会議員に限らず、日本国内にいる科学者や、北朝鮮政府の当局者である朝鮮総連の専従職員なども、銀行口座が開けなくなるはずなのだ。

「週刊新潮」2019年7月11日号「MONEY」欄の有料版では、政府答弁が示す制裁対象について詳報する。

「週刊新潮」2019年7月11日号 掲載

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