「壁には血飛沫が…」 大阪ビル放火殺人・谷本盛雄容疑者が起こしていた「息子刺傷事件」の全容

「壁には血飛沫が…」 大阪ビル放火殺人・谷本盛雄容疑者が起こしていた「息子刺傷事件」の全容

板金工場勤務のころの谷本盛雄容疑者

■「一家皆殺し」を計画


 大阪市北区曽根崎新地のビルから出火し、25人が死亡した放火殺人事件。現住建造物等放火と殺人の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)は、10年前に自身の息子に襲い掛かり、殺人未遂容疑で逮捕されていた。

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 谷本容疑者は1960年、大阪市此花区で板金工場を営む家に生まれた。4人きょうだいの次男で、自身も高校を卒業すると板金工になったが、実家の工場は兄が継いだため、複数の工場を転々とすることになった。結婚後は西淀川区姫島の持ち家に住み、2人の男児をもうけたが、2008年9月ごろに離婚。翌09年に元妻に復縁を迫るも、受けつけてもらえなかったという。

 その後、谷本容疑者は常軌を逸した行動に出ることになる。11年、長男への刺傷事件で逮捕されたのだ。当時、事件を捜査した関係者が振り返る。

「谷本は家族と離れて一人で暮らすうちに、寂しさを募らせて自殺を考えるようになりますが、死ぬのが怖く、だれかを殺せば死ねると考えた。そして、長男を殺そう、元妻や次男も道連れにしよう、などと考えはじめたそうです」


■「玄関先には血だまりが……」


 そして11年4月24日、長男から家族4人で映画に行こうと誘われると、これを一家心中の機会にしようと企んだという。映画鑑賞後に元妻のマンションを訪れることになった際、谷本容疑者は“寿司をもってくる”と自宅に戻り、寿司だけでなく、出刃包丁や刺身包丁やスタンガン、催涙スプレー、ハンマーなどをこっそりと持ち込んでいた。

「犯行の機会をうかがうも躊躇(ちゅうちょ)もあったとか。しかし、長男と居酒屋に行き、戻ってさらに飲酒するうちに夜も明け、犯行に及びます。刃渡り15センチの出刃包丁を右手で逆手に持ち、何度も振り下ろして、長男の頭や肩を突き刺したのです。しかし、抵抗した長男は2週間程度のケガですみ、谷本は玄関の外に押し出されたのです」

 結果、殺人未遂及び銃刀法違反で、その年の12月、懲役4年の実刑判決が下った。事件現場となったマンションの住人は現場の様子をこう振り返る。

「その日、朝出かけようとドアを開けたら、谷本さんの部屋の前に規制線が張られていて、脇を固めている警官に、“早朝に物音などは聞こえませんでしたか”と尋ねられました。玄関先には血だまりができていて、壁には血飛沫が飛んで、地面にはエントランスのほうまで足跡がひたひたと続いていました」

 12月23日発売の「週刊新潮」では、谷本容疑者をよく知る元職場の社長や近隣住民の証言などと併せ、大量殺人を犯すに至った心の闇に迫る。

「週刊新潮」2021年12月30日・1月6日号 掲載

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