日本を襲うオミクロン株 すでに感染爆発の「南ア」「イスラエル」「英国」の致死率はどれくらいか

日本を襲うオミクロン株 すでに感染爆発の「南ア」「イスラエル」「英国」の致死率はどれくらいか

尾身茂氏

 日本でも遂に、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」の市中感染が確認された。感染力が強いと言われていることもあり、国民の関心は非常に高いようだ。

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 YAHOO!ニュースのトピックスに掲載された記事から、日本国内でもオミクロン株の感染が拡大した流れを振り返ってみよう。

◆【速報】オミクロン株 国内初の市中感染か 大阪(TBS NEWS・12月22日14:18配信)

◆オミクロン株 空港検疫で新たに68人の感染確認 13日から19日までに入国(ABEMA TIMES・12月22日18:15配信)

◆専門家「氷山の一角」 市中感染、既に拡大か オミクロン株(時事通信・12月22日20:34配信)

◆オミクロン株の市中感染、急速拡大に警戒 大阪、京都で計5人に(毎日新聞・12月23日22:16配信)

◆オミクロン株、都内で初の「市中感染」確認 大阪、京都に続き(朝日新聞デジタル・12月24日14:07配信)

 24日には、毎日新聞が海外の動向を伝えた「フランス、新規感染者9万人超え過去最多更新 新型コロナ」(7:29配信)もトピックスに掲載された。

 フランスでの1日あたりの新規感染者数は、20年11月の「第2波」による8万6852人が最多だった。ところが、オミクロン株の影響で、12月23日には9万1608人を記録した。


■フランスは外出自由!?


 担当記者が言う。

「これまでに専門家は『オミクロン株の感染力は強い』と何度も警鐘を鳴らしてきました。その指摘が正しかったことが証明されたわけです。今後、日本国内でも、爆発的に感染者が増加してしまうという懸念が現実味を帯びてきました」

 岸田文雄首相(64)は24日、首相官邸で記者団の取材に応じ、「帰省や旅行についてはオミクロン株の動向を踏まえ、慎重に検討していただくようお願いする」と国民に呼びかけた。

 首相の発言に賛否両論はあるにせよ、それだけオミクロン株の感染力が強力だとは言えるだろう。

 しかしながら、改めて毎日新聞が24日に配信した記事「フランス、新規感染者9万人超え過去最多更新 新型コロナ」を見てみると、次のような興味深い記述がある。

《一方、23日の死者数は179人で、1日400人程度で推移した「第2波」と比べて低くなっている。クリスマスや新年を前に家族や友人と集まる機会が増えているが、仏政府は外出の制限や飲食店などの営業規制には踏み込んでいない》

「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は20日、12月第3週に確認された新規感染者の73・2%がオミクロン株に感染していたと発表しました。もっとも、各国の状況を見ると、死者数が感染者数に比例して増えているわけではありません」(同・記者)


■南アの現状


 そもそも世界で最初にオミクロン株が確認された南アフリカでの現状を見ると、それほど死者数は増えていない。

「今年7月上旬、南アフリカではデルタ株の感染拡大が発生し、同国で『第3波』が記録されました。例えば7月8日を見てみると、1日で約2万人が感染。対前日比138%増という厳しい状況でした。死者は411人に達し、致死率は1・91%を記録したのです」(同・記者)

 一方、オミクロン株による感染が拡大すると、感染者数や死者数はどのような数字に変化したのか、最新の12月23日と24日のデータを見てみよう。

「23日と24日も、同じように1日に約2万人の感染が確認されています。対前日比は136%、100%の伸び率を示すなど、オミクロン株が猛威を振るっていることが分かります。ところが死者数は99人と75人で、7月に比べると桁が1つ違います」(同・記者)

 この傾向が、より顕著なのがイスラエルだという。

「12月の第1週における感染者数は300人から500人の間で上下していました。ところが12月21日に1356人を記録してからは、常に1000人を超えています。一方、死者数は21日以降、2桁が大半で、1桁という日もあります。全体的な傾向としては低く抑えられています」(同・記者)


■イギリスも死者数は抑制的


 アメリカ、フランス、ドイツといった国も調べてみたが、1日の感染者数データに極端な上下が存在するなど、傾向を掴みにくかった。しかしながら、オミクロン株の感染拡大によって死者数も比例して増加していることを示すデータはなかった。

「イギリスでも南アやイスラエルと同じ傾向が見られます。23日と24日の感染者数はそれぞれ、10万5790人と12万2255人でした。一方、死者数は142人と149人で、致死率は0・1%と0・3%という値になりました。ちなみに同国の7月5日から11日における感染者数は1日3万人台、死者数は30人台で推移しました」

 オミクロン株による感染拡大が急カーブを描いても、死者数は比例していないことになる。


■入院リスクも減少


 朝日新聞デジタルは12月24日、「オミクロン株の重症化リスク、デルタ株より『最大7割低い』 英当局」との記事を配信した。

《英国の保健当局は23日、新型コロナウイルスのオミクロン株に感染した人は、デルタ株に比べて、重症化して入院するリスクが最大で7割ほど低い、という初期段階の研究報告書を公表した》

《11月以降のオミクロン株とデルタ株の症例を比較した。その結果、オミクロン株の感染者はデルタ株の感染者に比べ、病院の救急外来に行くのが必要になるリスクが31〜45%低く、入院に至るリスクは50〜70%低いとの結果が出たという》

 ただし、朝日新聞の記事でも指摘されているが、感染力は強力であることを忘れてはならない。

 たとえ重症化するケースが少なくとも、病床が逼迫してしまう懸念は常に存在する。感染予防の徹底は言うまでもないだろう。

デイリー新潮編集部

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