貸金業法違反の「遠山清彦」元議員 公明党では超異色の存在 岸田首相の面子を潰した過去も

貸金業法違反の「遠山清彦」元議員 公明党では超異色の存在 岸田首相の面子を潰した過去も

遠山清彦氏

 東京地検特捜部は12月28日、元財務副大臣で元公明党衆議院議員の遠山清彦容疑者(52)を貸金業法違反容疑で在宅起訴した。担当記者が言う。

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「容疑は日本政策金融公庫の融資をめぐり、遠山容疑者が貸金業法で禁止されている無登録での仲介に関与したというものです。遠山容疑者は都内で環境関連会社を経営する男性と親しく、この男性は数十の業者とつながりがあり、融資の仲介を行っていました」

 男性は遠山容疑者に依頼し、秘書が公庫の融資担当者の氏名などを照会していたという。

「照会で得た内部情報を、遠山容疑者が男性に伝えていました。このような方法で、男性は100件前後の融資に関わったと見られており、融資総額は10億円以上とも報じられました(註1)」(同・記者)

 男性は業者から融資額に応じた手数料を得ており、遠山容疑者には現金を渡すなどしていたという。

「公明党の国会議員といえば、堅物で面白味のない人が圧倒的に多い。ところが遠山容疑者は、高校から創価高校に通った“生え抜き”にもかかわらず、かなりざっくばらんな人柄でした。記者と会食しても構えず、何でも話し、冗談も言います。池田大作・創価学会名誉会長(98)のことを訊いても、あけすけに答えていました。公明党の代議士としては異色のキャラクターだと言っていいでしょう」(同・記者)


■初当選は参議院


 遠山容疑者は、公明党で選対委員長を務める高木陽介・衆議院議員(61)と並ぶ“プリンス”と称されていた。将来の幹部候補というわけだ。

 ちなみに朝日新聞(電子版)は11月13日、高木議員の公設秘書が、東京都でサプリメントを販売する会社の税務調査をめぐり、会社側の要望を電話で10回以上、国税庁に伝えていたことが判明したと報じた(註2)。

 2人のプリンスのうち、1人は逮捕され、1人は秘書が「調査妨害」の疑いを報じられた。大変に興味深いが、本題に戻ろう。

 遠山容疑者は千葉県千葉市生まれだが、父親の仕事の関係で転校が多かったという。甲信越や東北地方の小学校に通っていたこともあったそうだ。

 創価高校から創価大学法学部に進み、イギリスのブラッドフォード大学大学院で平和学の博士号を取得した。

 1999年から私立の宮崎国際大学で講師を務めると、2001年の参議院選挙に公明党の比例区から立候補して当選を果たした。

 09年の衆議院議員選挙では、参議院議員を任期途中で辞職し、比例九州ブロックで立候補したが落選。10年に同ブロック選出の神崎武法・公明党元代表(78)が病気療養に専念するため議員辞職し、遠山容疑者が繰り上げ当選となった。


■祖父も国会議員


 20年7月には次期衆院選に神奈川6区から出馬すると公明党が発表。しかし、21年1月に週刊文春が、コロナ禍で緊急事態宣言が発令されていたにもかかわらず、銀座の高級クラブで知人と会っていたと報じた。

 遠山容疑者は事実関係を認め、同月、公明党幹事長代理を辞任、2月には議員辞職し、次期衆議院選には出馬しない意向を示していた。

 公明党の関係者が言う。

「遠山容疑者は公言していないのですが、“政治家・遠山清彦”を考える際、鹿児島県の沖永良部島という“ルーツ”が重要な意味を持ちます。母方の曽祖父が沖永良部島で暮らしていたのです」

 遠山容疑者はイギリスの大学院を卒業していることもあり、一般的には外交に詳しい政治家と思われてきた。

「遠山容疑者が離島振興に力を入れていたことは、あまり知られていません。公明党の離島振興対策本部長を務め、100を超える離島を訪問。かなりの情熱を注いでいたようで、関係者の間では『離島振興に最も熱心な国会議員』と評判でした。遠山容疑者は『離島の多い九州ブロックの比例区から出馬したのが縁』などとインタビューに答えていますが、曽祖父の存在も大きかったのではないでしょうか」(同・関係者)


■財務官僚の“反乱”


 2019年、当時の安倍内閣で財務副大臣に任命された。“公明党のプリンス”らしく、この時、党にとって重要な“任務”で成果をあげた。

「昨年4月、当時の岸田文雄・自民党政調会長(64)が、新型コロナウイルス対策の緊急経済対策として『生活困窮世帯を対象に、1世帯30万円の給付を行う』と菅義偉首相(72)に提案、補正予算案も閣議決定されました。ところが公明党が『一律10万円』で巻き返しを図り、最後に岸田案をひっくり返してしまいます。岸田さんは公明党にメンツを潰されたわけですが、その際に党の“司令塔”として動いていたのが遠山容疑者でした」(同・関係者)

 この時、岸田政調会長の「所得制限を設けるべき」という案は財務省寄りだと報道された。ならば遠山容疑者は財務省に批判的な考えの持ち主かと言えば、そうではなかったという。

「例えば遠山容疑者は、消費税増税論者でした。そのため副大臣時代、財務官僚を集めて消費税増税に向けた勉強会を開こうとしたのです。しかし官僚からすると、変に遠山容疑者との関係を構築してしまい、当時の菅首相や麻生太郎財務相(81)、依然として内閣に睨みをきかせていた安倍晋三元首相(76)に睨まれでもしたら大変なことになります。結局、勉強会には誰も参加せず、遠山容疑者は愚痴をこぼしていました」(前出の記者)


■罪の意識はなかった?


 週刊文春がクラブでの飲酒を報じた際、公明党が厳しい対応を行ったことは前に見た。

 実はこの時点で、公明党は遠山容疑者が捜査機関にマークされていることを把握していたとの話がある。

「いきなり議員辞職とは、ずいぶん潔いと思った有権者もいたでしょう。報道では、あくまでも遠山容疑者本人が『議員を辞職し、立候補しない』ことを明らかにした格好になっています。しかし実情は、今回の口利き問題を把握していた公明党が、遠山容疑者に重い処分を下したと言われています」(前出の関係者)

 当初、東山容疑者は関与を否定していたと報じた記事もあった。だが、それが事実だとして、意外にも本心から言っていた可能性もあるという。

「公明党の幹部候補ですから、将来は安泰だったはずです。一部では『カネに困っていた』という報道がありますが、信じられません。遠山容疑者のキャラクターを考えれば、“政治家としての影響力”を誇示するため、秘書に公庫への照会を行わせた。罪の意識は乏しかったと言うほうがしっくりきます」(同・関係者)

註1:遠山清彦元議員立件へ 無登録で融資仲介容疑 東京地検(産経新聞・11月14日)

註2:公明議員秘書、国税に再三要望 知人会社の税務調査巡り「顔立てて」(朝日新聞・11月13日)

デイリー新潮編集部

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