ひろゆき氏 わいせつ教諭再逮捕で事実誤認 文科相を「アホ」呼ばわりはブーメラン確実

ひろゆき氏 わいせつ教諭再逮捕で事実誤認 文科相を「アホ」呼ばわりはブーメラン確実

西村博之氏(Danny Choo from Tokyo/Wikimedia Commons)

 スポーツ報知(電子版)は1月13日、「ひろゆき氏、わいせつ教員の4度目逮捕に『文科省の官僚も大臣もアホしか居ないの?』」との記事を配信した(註:1月13日午後4時18分時点で、削除された可能性)。

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《「2ちゃんねる」開設者のひろゆきこと西村博之氏が12日に、自身のツイッターを更新。わいせつで逮捕された教員が再犯を繰り返した事件に言及した》

 ひろゆき氏は公式Twitterで、産経新聞(電子版)が1月12日に報じた「教え子の女児3人に強制わいせつ容疑 小学校教諭再逮捕」の記事を紹介。その上で、

《文部科学省は、わいせつ行為をした教師の免許を取り消さないので、新たに三人の児童の被害が出て、4回目の逮捕だそうです》

《文科省の官僚も大臣もアホしか居ないの?》

《「わいせつ行為をした人の教員免許を剥奪するべき」と考える議員は少数派なのが原因なんですかね。。?》

 と批判した。最初の逮捕で教員免許を剥奪しておけば、再逮捕されることはなかったというロジックだ。

 ところが、スポーツ報知の報道と、ひろゆき氏のツイートに、元新潟県知事で衆議院議員の米山隆一氏が異議を申し立てたのだ。ちなみに米山氏は弁護士でもある。

《この教員がとんでもないのは当然として、これ恐らく勾留期限が切れるたびに次々と同種別件で再逮捕されているだけで犯罪−逮捕ー釈放ー勤務を4回繰り返した訳じゃないですよね。素人が知らないのは仕方ないとしてその発言をノーチェックで記事にするのは如何な物かと思います》


■明らかになった余罪


 一体、どちらが正しいのか、検証してみることにしよう。

 4回目の逮捕となった男性教諭の氏名は、先の産経新聞だけでなく日本テレビやTBS、共同通信なども報じている。

 氏名を新聞記事のデータベースで検索してみると、次のような経緯が分かった。担当記者が説明する。

「2021年10月、警視庁は教諭を強制わいせつと監禁の疑いで逮捕しました。20年10月から12月までの間に、勤務先の小学校で、放課後に女子児童を教室に呼び出し、鍵をかけて監禁した上、体を触るわいせつ行為をしたという容疑でした。この時点で産経新聞は、《複数の女児が同様の被害を訴えており》と指摘しています(註)。更に、教諭の逮捕を受けて、小学校が聞き取り調査を開始したとも報じられました」

 小学校の調査によって余罪が明らかになった。警視庁は再逮捕を行う。

「11月に警視庁は、別の強制わいせつ容疑で再逮捕しました。この時は20年2月上旬に、休み時間中の教室で教え子の女子児童の胸を触ったという容疑でした。翌12月には、最初の逮捕容疑を元に、東京地裁で初公判が行われました。この際の起訴状では、20年12月にカメラを使って別の女子児童の下着を撮影した事実も明らかにされました」(同・記者)


■《アホ》という批判は?


 1月13日、産経新聞の朝刊に「女児3人にわいせつ容疑 29歳小学校教諭を再逮捕」の記事が掲載された。ひろゆき氏がTwitter上で紹介した電子版の記事と同じものだ。

「警視庁が1月12日、やはり強制わいせつ容疑で教諭を再逮捕したという記事でした。容疑は19年10月から20年10月までの間、小学校で女子児童3人の胸を触ったというものでした」(同・記者)

 逮捕容疑を見れば、ひろゆき氏の間違いは一目瞭然だ。最初の逮捕では、犯行時期が《20年10月から12月までの間》だった。

 再逮捕を報じた記事では《20年2月上旬》で、4回目の逮捕を報じた記事では《19年10月から20年10月までの間》となっている。

「再犯といっても、教諭が小学校に復職し、同じような強制わいせつ事件を引き起こしたわけではありません。逮捕をきっかけに小学校が調査を行い、警視庁が捜査したことで余罪が判明し、再逮捕されたというのが事実でしょう。《文科省の官僚も大臣もアホしか居ないの?》という文言は、事実誤認に基づく批判と言われても仕方ないと思います。何しろ最初の逮捕をきっかけにした再逮捕ですから、免許を取り消せるはずもありません」(同・記者)

註1:放課後の教室に女児閉じ込め 強制わいせつ容疑、小学校教諭の男逮捕(産経新聞・21年10月12日朝刊)

デイリー新潮編集部

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