コロナ禍でも新宿「新大久保」は大盛況 若者は今や原宿よりも“韓国の最先端 ”に憧れる理由

コロナ禍でも新宿「新大久保」は大盛況 若者は今や原宿よりも“韓国の最先端 ”に憧れる理由

新大久保食べ歩きグルメで人気の「チーズホットドック」

 東京・JR新大久保駅周辺は、韓流アイドルのグッズや韓国料理店、韓国食材のスーパーなどが立ち並ぶ“コリアンタウン”として知られる。新型コロナの感染拡大で、多くの観光地が打撃を受ける中、この街は逆に活気を増している。人気の理由を韓国コラムニストの児玉愛子さんに聞いた。

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 韓流ブームの盛り上がりとともに、新大久保の人気も高まってきた。海外旅行に行けない今、手軽に韓国旅行の気分を味わえる街として、さらに活況を呈しているという。

「私が新大久保で今も記憶しているのが、2003年頃に始まった第1次韓流ブームのことです。当時は、『冬のソナタ』ブームで50〜70代くらいのおばちゃま達が新大久保に来てヨン様(ペ・ヨンジュン)のグッズを買ったり、韓国料理を食べたりしていました。当時の新大久保を知る人たちは、『あの頃が1番おいしい時代だった』と振り返っていますね。お客さんの年齢層が高い分、たくさんお金を使ってくれたんでしょう。その後、2009年頃には俳優のチャン・グンソクが大人気に。K-POPアイドルの東方神起、BIGBANG、KARA、少女時代のグッズも新大久保のお店に並びました」

 しかし、2018年頃からは日韓関係悪化のあおりを受け、新大久保の有名店の閉店が相次ぐなど、活気が失われた時期が続いた。

「それを乗り越えた今、かつてない“新大久保ブーム”が起きています。コロナ禍で韓国に行けないこともあってか、10代から20代の若者を中心に多くの人が集まり、人気の韓国料理店には行列が絶えません。BTSやTWICEなど、K-POPアイドルにハマりだした人も、グッズを求めて新大久保を訪れるようです。肖像権の侵害が疑われるようなグッズが一部の店に並んでいるのは、今も昔も変わらないですが……」(同)


■「愛の不時着」ブームで火が付いた


 インスタグラムの投稿を見ると、「#新大久保グルメ」は17.3万件、「#新大久保カフェ」は10.8万件にのぼり、サムギョプサル、ヤンニョムチキン、トッポギ、マカロン、ワッフル、ピンス(かき氷)などの写真が並ぶ。

「インスタ映えするカフェで写真を撮ったり、韓国コスメを買ったりして遊ぶ若い女性が“新大久保ブーム”を支えています。かつては一部の韓国マニアだけが通う街だったのが、今や幅広い人が集まる人気の街に変わりました」(同)

 ブームのきっかけの1つが、Netflixで人気になった韓国ドラマの影響である。

「最初の緊急事態宣言が出た2020年5月頃、家でNetflixを見て過ごす人が増えたこともあって、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など韓国ドラマが大ブームになりました。韓国カルチャーに興味がなかった若い世代や男性にも広く受け入れられたことが、これまでの韓流ブームとの違いではないでしょうか」(同)

 韓国ドラマでは登場人物たちが、フライドチキンやラーメン、ジャージャー?を食べたり、チャミスル(韓国の焼酎)を飲んだりする場面が度々出てくる。

「ドラマに出てくる食べ物って、本当に美味しそうに見えるんですよ。新大久保のスーパーに行けば、ほとんどタイムラグなく韓国で流行っているものが手に入るので、本場の味を手軽に味わうことができます。今後、自由に渡航できるようになっても、“わざわざ韓国まで行かなくても、新大久保に行けば十分”ということにもなりそうです」(同)

“映え”も、韓国グルメが盛り上がる理由の1つだ。

「同じ時期に、『ダルゴナコーヒー』といって、インスタントコーヒーを泡立てて作る韓国発の飲み物が流行りました。特別なメニューというわけではないけど、家で作ってSNSに上げたくなる手軽さと見た目の可愛さがウケたのでしょう。ブームを作る“見せ方”が上手いのが韓国っぽいなと思います」(同)


■原宿に代わる“若者の街”


 コロナ禍で、新大久保が原宿に代わる“若者の街”になったと児玉さんは指摘する。

「これまで若者の流行の発信地といえば原宿でしたが、たとえばポップコーンやタピオカなどのお店は、ブームが去ると相次いで閉店してしまい、常に活気がある街とは言えなくなっているのではないでしょうか。休日の人出を比べると、最近は新大久保の方が若者で賑わっています。韓国人は、熱しやすく冷めやすい性格。ブームは長く続かないことをよく知っているので、1つの物が流行ったら、すぐ次を見つけようとします。新大久保でも次から次へと新しい流行が作られていくので、日本の若い世代のニーズにも常に応えてくれるんです」(同)

 さらに、日本の韓国好きの中で、韓国に対するイメージが変わりつつあるという。

「冬ソナの頃の韓流ファンは、韓国に懐かしさを感じ、韓国ドラマの中にも古き良き日本を見ていました。一方で、新大久保に通うような今の韓国好きは、韓国カルチャーを最先端の憧れの存在として見ています。これまで、新大久保は韓流ブームに応じて、何度もブームを繰り返すのが特徴でしたが、“新大久保ブーム”といった一過性のものではなく、今や街としてのブランドを確立したと言えるのではないでしょうか」(同)

デイリー新潮編集部

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