神戸山口組「井上組長」が語った噂話への回答と超大国・6代目山口組に睨まれた組織としての対抗戦略

神戸山口組の井上邦雄組長が裏話への回答 元山口組系「義竜会」会長の竹垣氏と電話

記事まとめ

  • 暴力団組員更生を支援するNPOの竹垣悟氏は神戸山口組の井上邦雄組長と話したという
  • 巷で取りざたされている噂について、組長自身が正しておきたいという思いがあったとも
  • 「自分1人になっても組は解散しない」という話は、「その通りのよう」と竹垣氏

神戸山口組「井上組長」が語った噂話への回答と超大国・6代目山口組に睨まれた組織としての対抗戦略

神戸山口組「井上組長」が語った噂話への回答と超大国・6代目山口組に睨まれた組織としての対抗戦略

井上組長との会話の中身とは?

■使者が来たことはない


 2021年末時点での構成員数は、神戸山口組(以下、神戸)が約500人に対して6代目山口組(以下、6代目)は約4000人で、すでに「カタがついた」という声が圧倒的だ。そんな中、元山口組系「義竜会」会長で暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」主宰の竹垣悟氏は最近、神戸山口組の井上邦雄組長と話したという。昨年末に続く電話での会話を通じ、井上組長が伝えたかったメッセージとは?

「昨年末と同様に、共通の知人を通じて“話したい”との申し出がありました。若い衆と鍋をつついていた後の電話だったようですが、とても元気そうな印象でしたね。巷で取りざたされている噂話について井上組長自身、ある程度ただしておきたいという思いがあって、アプローチがあったのだと感じました」

 と、竹垣氏は明かす。具体的にはどういうことなのか。

「第1に、生命や財産の保証があれば組を解散してカタギになるという使者やメッセージのようなものが6代目側から来たことはないし、もとよりそのような考えは持っていないということでした」(同)


■「たとえ自分1人になっても」は真実?


 その一方で、井上組長は「たとえ自分1人になっても組は解散しない」と言っているとも取り沙汰されてきたわけだが、この点について竹垣氏はこう話す。

「それはその通りのようですね。第1次頂上作戦の最中、山口組内でも解散論が浮上する中、田岡一雄3代目は“たとえわし1人になっても山口組は解散しない”と発言したとされています。その田岡3代目が銃撃されたベラミ事件で、敵対組織への報復(カエシ)や抗争の末、長い懲役に行ったのが井上組長でした。レベルや置かれた状況は違いますが、山口組中興の祖と言われ、井上組長にとって神様のような存在である田岡3代目に自身の思いを重ねているのかもしれません」

 さらに白旗を上げてカタギになることのデメリットについても、こう付け加える。

「たとえば、井上組長が所属した健竜会を立ち上げ、2代目山健組の組長だった渡辺芳則5代目の場合、引退してカタギとして暮らす晩年は寂しいものだったと言われています。その他、みじめな最期を迎えた親分連中をたくさん見てくる中で、”生涯現役”がベストだと井上組長は感じているのでしょう。噂話や根拠のない情報が先行するのは6代目側の情報操作の結果であり、真実を伝えてもらいたいとの思いがあったようです」(同)


■カタがついたとは全く思っていない


 もっとも、親に背く「逆縁」という禁じ手を使ってまで2015年に組織を飛び出し、その正当性を訴えてきた7年余だったが、そうまでして作りあげた組織は今や500人。6代目側が4000人では「カタがついた」と言われても仕方がなく、「自分1人になってしまう可能性」もはらんでいるのではないだろうか。

「組を割って出たことに後悔はなく、井上組長自身、カタがついたとは全く思っていません。近いうちに若手を直参(直系の組長)に引き上げるプランもあるようです。超大国に睨まれた小国として、どう闘うかを常に考えているとでも言いましょうか」(前出・竹垣氏)

 とはいえ、ウクライナのように世界から武器や防弾チョッキが届くわけでもなく、抗戦できるほどの兵隊(組員)がいるわけでもなく、そもそも世間は味方してくれるどころか厳しい視線ばかり投げかけてくる……といった状況ではあるのだが。

「6代目と対峙すると同時に、本物の国の方の包囲網との闘いもありますね。警察側は6代目の弱体化が一番のテーマでしょうから、その中で”小さな国”としてベストの選択をしていこうという意思はとても感じました」(同)


■特定抗争指定暴力団については?


 ところで、国の包囲網ということなら、神戸は6代目と同じように、特定抗争指定暴力団に指定されている。5人以上で集まることが禁じられるなどの規制がかけられているわけだが、そのあたりに窮屈さは感じていないのだろうか。

「泣き言は伝わってこないですね。6代目側も同じルールで闘っているわけですし、窮状を嘆いても詮(せん)ないということなんでしょう。24時間警察が警備体制を敷いているようですが、自宅に軟禁されているわけではなく移動の自由はありますし、何より長い年月の懲役で培われた忍耐力があるということです」(同)

 いずれにせよ我慢の時が続きそうだ。

デイリー新潮編集部

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