同居女性に売春させ1千万円以上ピンハネ 近隣住民が明かす「容疑者夫婦」の素顔

同居女性に売春させ1千万円以上ピンハネ 近隣住民が明かす「容疑者夫婦」の素顔

長すぎた共同生活

 同居していた26歳の女性に売春させ、1千万円以上を巻き上げたとされる夫婦が警視庁に逮捕された。そこで垣間見えたのは、被害者を服従させた異様な「家族の風景」。それぞれの精神構造をひもとくと――。

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 逮捕されたのは、板橋区在住の嵩原(たけはら)ゆき乃(33)と夫の優力(ゆうき)(29)両容疑者。2019年7月から昨年11月にかけて、自宅に住まわせていた26歳の女性に売春をさせた売春防止法違反(管理売春)の容疑だった。

 容疑者夫婦は子どもを含めた3人家族で、都営住宅に住んでいた。そこへ3歳になる子どもを抱えた被害女性が転がり込み、計5人が共同生活を送っていた。

 きっかけは動画投稿サイトを通じて、ゆき乃容疑者と被害女性が知り合ったことだった。連絡を直接取り合うようになり、18年11月から3DKの都営住宅で同居生活が始まる。売春するようになったのは、翌年の7月からである。


■約600回の売春行為


 警視庁担当記者によれば、

「住宅の家賃は数万円程度でしたが、夫婦はこの女性に家賃12万円を請求していました。その後、17万円に上げ、払えなくなると“デリヘルで稼げば?”と言い、風俗店に勤務させたのです」

 最終的に請求した家賃は40万円。彼女は不当に高い家賃を支払うために、「裏引き」と呼ばれる、客との店を通さない接触や、立ちんぼも勧められるように。

「確認できているだけで約600回の売春行為により860万円を売り上げたが、女性は1100万円以上を渡したと話しています」(同)

 ピンハネした金で夫婦は高級車やブランド品を購入。一方、被害女性は小遣い程度しか与えられなかった。


■“たけはらだよ!”


 容疑者夫婦について、近隣住人が言う。

「引っ越してきたばかりの時、住宅の庭掃除である住人が嵩原さんの旦那さんを近隣に紹介したんです。その際に苗字の読み方を“たかはらさん”と間違えたら、“たけはらだよ!”と威圧的に抗議していた。以来、庭掃除には顔を出さなくなり、皆、チンピラなのかな、と思っていた。車は高級そうな黒と白のワンボックスカー2台を所有し、ナンバーはいずれも“6”でした。奥さんはあまり外出しない人で笑ったのを見たことがありません」

 被害女性については、

「近所でも美人と評判でした。ベビーカーに乗った赤ちゃんと一緒にいるところに出くわしたことも。自転車で、買い物に出かけるのも見たことがあります」(同)


■「加害者夫婦はマニピュレーター」


 なぜ、彼女は逃げ出すことができなかったのか。

「加害者夫婦は典型的なマニピュレーターですね」

 と精神科医の片田珠美氏が解説する。

「マニピュレーターとは自分の思い通りに他人を支配し、操ろうとする人です。表面的には良い人でも、他人の弱みや不安につけこむことに長けている。一方、そのターゲットにされやすい側にもいくつかの特徴があります。例えば“おかしいという直感に蓋をする”などです。家賃を40万円も請求されるのは通常考えられないことですが、彼女はそれに対して“おかしい”と感じても何もせず、波風を立てない生活を続けた。お金もなく、無力感を抱いていたのかもしれません」

 売春している間、被害女性は容疑者夫婦に子どもを見てもらっていた。逃げることはかなわず、体を酷使するほかなかったのか。

2022年3月17日号 掲載

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