ワルに食い物にされた「全国育児介護福祉協議会」 不明朗支出が重なり「介護サービス」受けられず

ワルに食い物にされた「全国育児介護福祉協議会」 不明朗支出が重なり「介護サービス」受けられず

全祉協HPより

■「互助会」的な組織に


「全国育児介護福祉協議会」、通称・全祉協(ぜんしきょう)。「育児」「介護」「福祉」、日本社会が抱える重要課題を三つも名称に含む団体が存続の危機に晒されている。

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 1985年の発足当時は「全国養護共済会」の商号で、「無認可共済」を扱う特定保険業者だった。無認可共済は法的な裏付けがなく監督官庁も存在しないため、不祥事の温床になりやすい。

 2008年、全国養護共済会でも「ロボットによる全自動介護施設の建設」という荒唐無稽な名目での会費徴収が発覚。最終的に、保険業法の改正で特定保険業者は適用対象に組み込まれることになり、金融庁から業務廃止が命じられた。

 その後継団体である全祉協は、共済としての現金給付を取り止め、公的介護保険で補えない要介護者の家族を含めた食事、掃除や洗濯といったサービスを提供する「互助会」的な組織に衣替えしたのだった。


■総額1億円超


 衣替えと同時に保険業法の適用も免れたが、17年、あらためて、金融庁から保険業法の適用対象との指摘を受け、新規の会員募集を禁じられる。結果、最盛期には会員3万人から毎月7000万円を集めた全祉協の経営は一気に逼迫。そして、不動産会社「品川グランズ」を経営する高田叡和(あきお)なる人物に身売り話が持ち込まれたのである。

 18年9月に高田氏が事業を継承すると、全祉協に不明朗な会計支出をさせるようになった。全祉協の幹部によれば、その総額は1億円を超えるという。大半は高田氏の生活費や遊興費などに使われていたばかりか、高田氏は、全祉協が保有していた保養施設を理事会に諮りもせず売り払ってしまった。

 挙げ句、全祉協職員への給料未払いが相次ぎ、会員は介護サービスを受けられなくなる始末。高田氏は「不正な私的流用は一切ない」と言い張るが、全祉協が「育児」「介護」「福祉」の名に相応しくない団体に成り果てたことだけは間違いない。

「週刊新潮」2020年5月7・14日号「MONEY」欄の有料版では、全祉協が食い物にされた経緯と高田氏の弁明を詳報する。

「週刊新潮」2020年5月7・14日号 掲載

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