大阪高槻で溺死した54歳女性に「1億5千万円」の保険金が… 受取人・20代養子の素顔

溺死した54歳女性に多額の保険金 受取人の20代養子のSNSにはランボルギーニの写真

記事まとめ

  • 高槻市にある一軒家の浴槽で54歳女性の遺体が発見され、他殺によるものと断定された
  • 女性には1.5億円の生命保険が掛けられ、受取人は5カ月前に養子になった20代男性だった
  • 男性の住まいは赤坂の高級タワーマンションで、SNSにはランボルギーニの写真を掲載

大阪高槻で溺死した54歳女性に「1億5千万円」の保険金が… 受取人・20代養子の素顔

大阪高槻で溺死した54歳女性に「1億5千万円」の保険金が… 受取人・20代養子の素顔

現場となった高井さん宅

 溺死に偽装した殺害方法、被害女性に掛けられた死亡保険金1億5千万円、そして、事件直前に彼女の養子となった謎の20代男性――。パズルのピースは出そろい、スピード解決が見込まれた事件は、しかし、暗礁に乗り上げたままだ。渦中の男女を結ぶ点と線とは。

 ***

 全く別々の道を歩んでいたはずの男女の人生がいつしか奇妙に交錯し、その果てに“事件”は起きた。

 昨年7月26日、高槻市八幡町にある一軒家の浴槽で、高井直子さん(54)=死亡当時=の遺体が発見される。この件について、大阪府警は今年2月22日、「他殺による溺死」と断定したのだ。

 高井さんは、水の張られた浴槽に顔が浸かった状態で見つかった。右手首に結束バンドが巻かれていたことから、府警は事件性を疑って捜査を開始。だが、酷暑のせいで遺体の腐敗が進み、当初の司法解剖では死因不詳とされた。

 社会部記者によれば、

「ただ、その後の病理検査の結果、左手首にも結束バンドの跡が見つかった。府警は、7月23日頃に何者かが高井さんの両手を縛り、溺死を装って殺害したと考えて捜査を進めています」


養子縁組の5カ月後に死亡


 遺体発見時、高井さん宅の玄関にはカギがかかっていたが、勝手口は無施錠だったという。室内に荒らされた様子はなく、居間には70万円入りの封筒や通帳、印鑑の入ったポーチ、財布や携帯が残されていた。

「そのため、物盗りによる犯行の線は早い段階で消えました。一方で注目を集めたのは、彼女に1億5千万円もの生命保険が掛けられていたこと。保険金の受取人は、昨年2月頃に彼女の養子になった、都内在住のAという20代後半の男性でした」(同)

 つまり、高井さんはA氏と養子縁組を行い、その5カ月後に命を落としたことになる。しかも、巨額の生命保険を契約した後で、である。彼に疑いの目が向けられても致し方あるまい。


■厳格な家柄


 現場の近隣住民は高井さんについてこう証言する。

「直ちゃんのお宅は、高槻市役所に勤めていた母方のお祖父さんが建てたんです。両親は彼女が生まれる前に離婚して、お祖父さんが亡くなると母娘ふたり暮らし。直ちゃんにきょうだいはおらず、結婚もしていないので7、8年前にお母さんが認知症を患って施設に入ってからはひとりで生活していました。彼女は小顔でスタイルがいいのに、化粧っ気はなくGパンとか地味な服装ばかり。30歳前後の頃に結婚話がありましたが、家族の反対で破談になったそうで厳格な家柄なんだな、と」

 高校時代の後輩も“エエとこのお嬢さま”という印象を抱いていた。

「茶道部の部長で点前も上手。部活には自前の着物で参加していました。成績は常にトップクラスで、お嬢様学校で知られる京都ノートルダム女子大に進学したんです」

 大学を卒業し、事件前は都市銀行のグループ会社に勤務していた高井さん。同級生も困惑を口にする。

「直ちゃんとは去年の7月25日に会う約束をしていたんです。でも、結局、姿を現さず、LINEのアカウントも消えてしまった。彼女はしっかりとした性格で、私の母が老人ホームに入るときも親身になって相談に乗ってくれました。真面目で堅実なので詐欺にだまされるタイプではありません。だから、若い男を養子にしたり、高額な生命保険に入っていたと聞かされても信じられなくて……」

 疑惑が募る“若い男”。彼は一体、何者なのか。


■FXで儲けてる


 取材を進めると、A氏の華やかな経歴が明らかになった。関西の有名私大でアメフト選手として鳴らし、大手コンサルティング会社、外資系保険会社を渡り歩く。そのSNSには誇らしげに黒いランボルギーニの写真が掲げられていた。

 彼の知人が語るには、

「現在の住まいは、家賃30万円は下らない赤坂の高級タワーマンション。以前は白金高輪のマンションで暮らしていたものの、“眺望が気に入らないから引っ越した”そうです。普段の服装は、ダウンからパンツまでバレンシアガでそろえて、腕にはクロムハーツのブレスレットという感じ。保険会社を辞めた後はベンチャー系の金融企業に入ったみたいですけど、いまは個人で“FXをやって儲けてる”と豪語していた。最近はタワマンで若いカノジョと同棲してるみたい。麻布十番のガールズバーに通い詰めて口説いたんだとか」

 モデル風のスレンダー美人である“カノジョ”のSNSには、A氏からプレゼントされたと思しき、カルティエの腕時計やブシュロンのリングといった高級ブランド品が並ぶ。

 赤坂のタワマンに高級外車、年下の美女――。築半世紀の一軒家で質素に暮らす、未婚の50代女性との違いは歴然としている。そんなふたりは高井さんの職場の同僚の紹介で知り合ったという。


■人心掌握術


 他方、彼が所属するアメフトサークルの関係者が言うには、

「会社勤めを辞めたからか、最近の彼はアメフトに情熱を注いでいる印象です。うちの現役選手の紹介で彼がチームに加入したのは昨年5月頃。昨年はチームの成績が芳しくなかったのですが、それが悔しかったようで“今年こそ日本一を目指しましょう!”と副主将に名乗り出たんです。パワーポイントを使って100ページ近い戦術プランまで作ってくれてね。チームの要であるクォーターバックとして活躍していますよ。まぁ、若いカノジョと一緒に、黒いランボルギーニで試合会場に乗りつけたときは驚きましたけど」

 他方、こんな一面も。

「若い選手が相手チームと連絡を取るときは、彼がメールの文面を添削してくれる。アラフィフの先輩には失礼にならない程度にフランクに振る舞って、すぐに打ち解けることができる。営業の仕事をさせたら優秀なんだろうな、と感じさせるところがありました」

 この人心掌握術で高井さんの懐に入り込んだ可能性は否定できない。


■妻は結婚について「後悔している」


 しかも、と先の記者はこう続けるのだ。

「高井さんには2社合計で1億5千万円の生命保険が掛けられていましたが、そのうちひとつは、かつてAが在籍していた外資系保険会社のものでした」

 加えて、先のA氏の知人は次のように明かす。

「実は、彼には結婚歴があるんです。昨秋には“離婚調停中で慰謝料300万円を請求されている”と漏らしていた。彼にすれば、はした金に思えますが、“結構、痛いんですよ”と」

 そこで、彼の“妻”に話を聞いたところ、

「警察の方との関係もあるので何もコメントはできません。(結婚については)私も大変後悔しているというか……。こんなことになるなんて夢にも思いませんでした。私としては一刻も早く離婚したいんですけど、いまは弁護士を通じて協議を続けているところです。ただ、向こうのことは全く分からないので……」

 本誌(「週刊新潮」)はタワマン前でA氏を直撃したが、無言で立ち去るのみ。改めて取材を依頼するも回答はなかった。

 豪遊の陰でトラブルを抱えていた「港区男子」。疑惑の点が、事件解決という線を結ぶ日は訪れるか。

「週刊新潮」2022年3月31日号 掲載

関連記事(外部サイト)