46歳「小学校教諭」が10年前の教え子への性的暴行で逮捕 5年前のわいせつ事案で“大甘処分”を下していた都教委の“責任転嫁”

46歳「小学校教諭」が10年前の教え子への性的暴行で逮捕 5年前のわいせつ事案で“大甘処分”を下していた都教委の“責任転嫁”

3回目の逮捕に踏み切った警視庁

 おぞましいの一言に尽きる。警視庁は4月2日、10年前に10代女性の教え子に性的暴行を加えていたとして、東京都江東区の小学校教諭・河嶌健容疑者(46)を強姦容疑で逮捕した。逮捕のきっかけは、昨年11月、保護者から学校に寄せられた「娘が学校で先生からわいせつ行為を受けている」との被害相談であった。男は5年前にも板橋区内の小学校でも女子児童の体を触るなどのわいせつ事案を起こし、停職3カ月の処分を受けていた。

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■熱狂的な浦和レッズファン


「ここらでは浦和レッズの熱狂的ファンで知られています。試合のたびに、仲間と一緒に大きな旗を振って帰ってくる。お子さんも3人いますよ。下の2人は娘さんで、高校生と中学生です」

 埼玉県さいたま市緑区の住宅街。河嶌健容疑者が住んでいた一軒家の近隣住民はニュースを知り、ため息を漏らしてこう語った。17年前、河嶌容疑者は浦和レッズの試合に通えるように、当時本拠地のあった浦和駒場スタジアムから徒歩圏内にあるこの地に引っ越してきたという。

「挨拶も交そうとしない。粗野な振る舞いから、以前から教員らしからぬ危うさを感じていました」(同)

 河嶌容疑者に対する捜査が始まったのは、昨年11月のことである。

「保護者から『娘が学校で先生に体を触られている』との訴えが学校にあり、校長が警視庁に相談したことがきっかけです。警視庁は当初、強制わいせつ容疑などでの立件を目指していましたが、本人が否認し、かつ証拠に乏しかったことから難航した」(警視庁担当記者)


■2人の秘密だからね


 そこで、家宅捜索した際に押収したスマホに盗撮動画を所持していたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)容疑で、2月13日に最初の逮捕に踏み切った。3月7日には、同法の製造容疑でも再逮捕された。

「スマホには生徒たちの着替えの動画や静止画が十数点保存されていた。最初の逮捕容疑は18年頃に撮影されたもので、被害女児は当時担任していたクラスの小学3年生。2回目の容疑は19年9月に撮影された動画で、被害女児は小学1年生だった」(前出・記者)

 だが、自宅のパソコンには、もっとおぞましい動画が残されていた。

「それが今回の逮捕容疑の証拠となった映像です。被害者は元教え子だった女性で、卒業後に呼び出され、河嶌容疑者から『2人の秘密だからね』と口止めされていた。警視庁は特定されてしまう恐れがあるため年齢などを明らかにしていませんが、いまは成人していると思われます。警視庁としては、立件できていない被害者のためにも、もっと重い罪に問いたいという思いで捜査を継続し、被害者を特定した上で協力を仰いだのでしょう。河嶌容疑者は今回の容疑でも、否認を続けています」(同)


■停職明けに別の区で復職


 実はこの男を、もっと早く教壇から引きずり下ろすチャンスはあった。2017年に勤務していた板橋区内の小学校でも教え子へのわいせつ事案が問題化し、区や都の教育委員会の調査が入っていたのである。TBSの報道によれば、当時、校内では、ハグするように後ろから教え子に抱きつく河嶌容疑者の姿がたびたび目撃されていたという。

 だが、その時、都教委が下した判断は「停職3カ月」だった。学校関係者が解説する。

「わいせつ事案において停職処分は、すなわち“セーフ”です。触った、抱きついたなどの被害の訴えで、教師側が『そんなつもりではなかった』と否認した場合、判定が難しくなる。結果、グレーな判断として、懲戒免職にならずに逃げきれてしまうケースが多々あるのです。あの時、警察を介入させておけば、もっと早く被害が把握でき、さらなる被害を防げた可能性がある」

 江東区教育委員会によれば、板橋区の件での停職が開けた翌年の2018年から江東区内の小学校で勤務を再開したという。

「都教委の人事に対しては、私たちは受け入れるだけの立場です。もちろん停職処分の内容は把握しておりましたので、本人に対して二度とこのようなことがないよう確認してから配属させています。一連の逮捕事案については重く受け止めており、都に対しては厳正な対処を求めていくつもりです」(江東区教育委員会指導室長)


■わいせつ教員対策法が施行


 5年前の判断に問題はなかったのだろうか。都教委の人事部職員課に話を聞いたが、「個人情報に関わるので、懲戒免職以外の処分内容については公表していない」「捜査段階にあるのでコメントできない」などと繰り返すばかり。一般論としては、次のように回答した。

「わいせつ事案の事実認定は、服務監督権を持っている地区の教育委員会が行うものです。都教委は、それに基づいた上で処分を下している。発出済みの処分が適切だったかどうかの判断はこちらではしかねます」

 板橋区教委に責任転嫁しているかのようにも聞こえる言い方である。

 4月から施行された「わいせつ教員対策法(教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律)」には、《犯罪の疑いがあると思われるときは、速やかに、所轄警察署に通報する》との文言も盛り込まれた。だが、法ができたからと言って、今後このような事案が防げるわけではない。勇気を出して被害を訴える子供たちの側に立ち、教育現場に潜み続ける卑劣なわいせつ教員たちを排除していく強い姿勢が教育行政に求められている。

デイリー新潮編集部

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