「白鳥の湖」の水面下の醜い争い 名門「小牧バレエ団」乗っ取り劇 創設者の身内の対立泥沼化

「白鳥の湖」の水面下の醜い争い 名門「小牧バレエ団」乗っ取り劇 創設者の身内の対立泥沼化

故・小牧正英氏

■「小牧」の名を相続


 故・小牧正英氏(本名・菊池栄一)は、1946年に日本初となる「白鳥の湖」の全幕公演を成功させるなど、戦後のバレエ史に多大な功績を残した。その伝説的人物が発足させた「小牧バレエ団」をめぐり、身内同士の諍いが続いている。

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 小牧氏の長女である菊池マリーナ氏によれば、血の繋がらない「いとこ」の菊池宗(そう)氏と対立しているという。宗氏は、小牧氏の弟である菊池唯夫氏と養子縁組した人物だ。

「2006年、父は94歳で生涯を閉じました。その遺書には“小牧バレエ団”の商標権や歴史的資料、さらに、いとこが率いるバレエ団に“小牧”の名称を使用させる権利も私に相続させると記されていた。ところが、いとこはあたかも父の後継者のように振る舞い、父の名を勝手に利用しているのです」

 さかのぼること35年前、一時、小牧バレエ団に所属していた唯夫氏が別のバレエ団を創設。一線から退いていた小牧氏の承諾を得て、「東京小牧バレエ団」を名乗っていた。96年に唯夫氏が他界すると、いつの間にか唯夫氏の養子になっていた宗氏が団長に就任する。

「父は宗さんに、代替わりしても名称使用を続けるなら、私を東京小牧バレエ団に関与させることを要求した。しかし、宗さんはずっと、それをウヤムヤにしていました」


■調停不成立


 マリーナ氏は、「赤の他人」の宗氏が3代目団長として活動し、小牧氏の遺品を無断使用していることが我慢ならない。

「21年5月、東京簡易裁判所に調停を申し立てました。これまでの名称使用料として3000万円の支払いと、父の遺品の歴史的資料25点の返還を宗さんに要求した。歴史的資料の大半は戻ってきたのですが、白鳥の湖の初演で美術担当だった藤田嗣治のデザイン画や川端康成、三島由紀夫らが公演パンフレットに寄せた原稿など肝心のものは見つかっていません」

 対する宗氏も、昨年11月に反撃を開始。小牧バレエ団の商標登録を特許庁に出願し、マリーナ氏が持つ商標登録の取り消しを求める審判請求に踏み切った。なお、調停は今年2月に不成立となっている。

 宗氏に訊くと、

「カツアゲが得意なマリーナは、いまは恐喝とたかりで生活しています。これ以上、金銭を毟(むし)り取られたくないから、小牧バレエ団の商標を取得し、そのうえで、小牧の教えをバレエ団のメンバーに授けられたらと考えています」

「週刊新潮」2022年4月14日号「MONEY」欄の有料版では、争いの経緯と内容を詳報する。

「週刊新潮」2022年4月14日号 掲載

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