「半年以上かけて大事に育てた花が…」花畑が踏みつぶされできた“獣道”の悲しみ

「半年以上かけて大事に育てた花が…」花畑が踏みつぶされできた“獣道”の悲しみ

菜の花畑に入り込んで写真撮影をする人

■一面に広がる菜の花畑


 写真を巡る迷惑行為といえば、「撮り鉄」が思い浮かぶが、今回、迷惑行為が発覚したのは、ある花畑でのことだった。

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 埼玉県幸手市にある権現堂公園は、およそ千本のソメイヨシノが並ぶ桜の名所として知られているが、2.4ヘクタールもの広大な菜の花畑があることでも有名だ。東京ドームに換算すると「0.5個分」ということになる。どちらも見ごろを迎える春には、多くの観光客が訪れる。桜と菜の花のツーショットが目当てだ。


■菜の花畑に踏み入って写真を撮る人々


 ただ、人気の観光地では近年、こんな問題が起きている。

「観賞用の菜の花畑に踏み入って写真を撮る人が、後を絶ちません。私たちが半年以上かけて育ててきた大事な花なので、非常に残念です」

 と話すのは、公園を管理しているNPO法人・幸手権現堂桜堤保存会の理事長だ。

 畑には「ここから先に入らないでください」という注意の看板が複数立てられている。しかし、そのすぐ傍らで楽しげにパシャパシャと写真撮影をする人々は、気にも留めていない様子だ。


■「みんな入っているから」


 あまりに多くの人が立ち入るため、菜の花が踏みつぶされて“獣道”ができている始末。
 実際に立ち入っている人に話を聞いてみると、

「えっ、ここは立入禁止なんですか? みんな入っているから、てっきりいいのかと……。看板には気付かなかったです」

 良い写真を撮りたいのは自然な気持ちだけれど、足元に目は向けられなかったのだろうか。無残に踏み倒された菜の花の悲しげな姿は、目に入ったはずなのだが。

撮影・西村 純

「週刊新潮」2022年4月21日号 掲載

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