「ナイルレストラン」オーナーの“性加害”を被害女性が告発 本人の呆れた言い訳

「ナイルレストラン」オーナーの“性加害”を被害女性が告発 本人の呆れた言い訳

あまりに誠意のない対応

 昨今、芸能界を席巻している「性加害報道」。次から次へと悪事が明るみに出る中、今度は歌舞伎役者がこぞって愛用する日本最古・インド料理専門店のオーナーが告発された。市川海老蔵とも親しいという「加害者」は警察との関係を強調し、信じられない言葉を……。

※性的暴力に関する記述が含まれます。

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 いまや東京・東銀座の名物店となったその店がオープンしたのは戦後間もない1949年のことだった。

「ナイルレストラン」初代オーナーのA・M・ナイル氏はインド独立運動の志士で、28年に日本へと留学。同じく運動家だったラス・ビハリ・ボースとも親交があり、東京裁判ではパール判事の通訳まで務めたという人物である。インド独立後、日本人である妻がレストランを始め、それから七十有余年。最近ではセブン−イレブンでコラボ商品が販売され、好評を博すなど人気店に成長した。

 また、歌舞伎座に近いゆえ、役者御用達の店としても知られている。例えば“乱倫”交際が報じられている市川海老蔵も過去にテレビで「行きつけ」として紹介しているほどだ。


■「胸が張り裂けそう」


 初代の息子となる2代目オーナーはG・M・ナイル氏(77)。最近まで芸能事務所に所属し、メディアへも露出していた。その顔を見ればピンとくる向きも多いだろうが、

「こんなに誠意のない最低な人物をなぜ信頼していたのでしょうか。悲しさ、悔しさ、虚しさ、怒りで胸が張り裂けそうです」

 そう語るのは、幼い子を持つ40代の既婚女性。仮にこの女性を山田沙耶香さんとしよう。彼女がナイル氏に憤るのには当然理由がある。それはあの「夜」の所為(せい)である。おぞましい行為を迫られたあの「夜」の――。

 二人の出会いは、10年以上前に遡る。歌舞伎が好きな山田さんが観劇帰りにナイルレストランに寄ったことがきっかけだった。

「店内にいたナイルさんから話しかけられ、するとその翌月に彼が歌舞伎座の『助六』に出演し“舞台裏に連れて行ってあげる”と言うので、電話番号を交換しました」

 ナイル氏は三味線の清元や河東節を習い、2004年、市川海老蔵襲名公演の「助六」にも出演している。歌舞伎と縁が深く、海老蔵とは「親子のような関係」とまで周囲に語っていた。

「そこから家族ぐるみの関係になりました。ナイルさんの奥様も素敵な方で可愛がっていただきました。千葉にある自宅や文京区の別宅に遊びに行くことも何度かありました」


■「傷跡をさすって」


 山田さんは結婚と出産を経て、ナイル氏とは電話とメールで歌舞伎について連絡を取り合う関係が続いた。そしてコロナ禍が一段落した折の20年10月9日、7年ぶりに文京区のイタリアンで食事をすることになった。当日夕方、待ち合わせは同区の別宅。しかし、

「会うなり、“久しぶりー!”と言ってハグしてきたのです。また、2階で雑談をしていると、手術した背中の“傷跡をさすって”というので、仕方なく触ると、“気持ちいい”と漏らしていました。いま思うと抵抗しないのか確かめられていたのだと思います」

 その後、店に向かい食事をしたものの、最後の一品のチキンソテーが出てくると、ナイル氏は「家で食べない?」と誘ってきたという。

「ナイルさんは警察・自衛隊マニアでグッズが別宅にはたくさん置いてありました。自衛隊のビデオでも見たいのかなと思い、おじいちゃん孝行のような気持ちで、店も混んできたので戻ることにしました」


■山田さんの手を掴み股間に…


 しかし、そこで事態は急変。別宅の居間でビールを飲みながら歌舞伎の話をしていると、ナイル氏が神妙な顔でこう語りだした。

「(妻の)麻央が死んだのは海老蔵のせいなんだ。歌舞伎座の楽屋に変な気功師が出入りして海老蔵がそいつにハマっちゃったんだよ。早く手術して、おっぱいをとってしまえばよかったんだ」

 その刹那、ナイル氏が山田さんの左胸に手を伸ばしてきた。

「胸を触られ、わけが分からず固まっていたら、いきなり私の後ろから服と下着をめくりあげてきたんです。抵抗すると、電気を消し、“これならいいでしょ”と。私の向かいに座って胸を舐め、それから、後頭部を掴まれ、彼の乳首に口を押し付けられました」

 ナイル氏はひどく興奮した様子で「沙耶香、最高だよ!」と叫び、山田さんの左手を股間に誘導。ズボンの上から触らせたという。

「あまりのことに幽体離脱してパニック状態の自分を上から眺めているようでした。“このくらいにしてください”と言って、気分が悪くなりトイレに逃げ込みました。しばらくして戻ると、部屋の照明はついて元通りになっていて」

 すると、満足したようにこう言い放った。

「昔は生娘だと思っていてこんなことできなかった」

「子どもを産んだから一人前。下の穴も一人前だね」

「今度一緒に温泉に行って、僕の舐めてね。沙耶香のも舐めようっと」


■「警察とパイプ」


 山田さんが声を詰まらせながら続ける。

「最後にキスしようとしてきたので、後ろにのけ反ると舌を伸ばしてきて唇を舐められました。さらに帰り際に鞄を見ると新札の千円札10枚が……。帰宅後は夫と子どもの顔を見ることができず、全く眠れませんでした。翌日、ようやく自分が性被害に遭ったのだと認識したんです」

 まもなく、文京区内の警察署に被害届を提出。その間、ナイル氏から謝罪のメールが来るも、12月に被害届は受理され、強制わいせつ容疑で捜査が行われた。示談は決裂し、昨年7月にナイル氏は書類送検。現在は検察で捜査が続いている。

「ナイルさんは警察とパイプがあるみたいで、被害届を出すのも悩みました。昨夏には心療内科にかかり、PTSDと診断されました。事件後、胸を見られるのが嫌で子どもと一緒にお風呂にも入れなくなって……」


■「彼女が金目当てなんじゃないかと思っているの」


 では、もう一方の当事者であるナイル氏に千葉の自宅であらましを尋ねると、にやけながら、

「あれは事件でもなんでもないですよ。でっち上げ。不起訴になるんですよ。酔っていて、まあ流れでね。ちょっとイチャイチャして、オトナの男女ならよくある話でしょ。警察にも“これが事件なら人間関係は築けない”“変なのに引っかかったね”と言われたよ。適当に謝っておけば済むと思ったの」

 過去のインタビューでは警察官と親しくしており、警察学校で講演もしていると明かしている。まるで、自分なら事件を握り潰せるとでも言いたげな口ぶりだ。

「僕は彼女が金目当てなんじゃないかと思っているの。とにかくこれは記事になりません。何かあったら僕の弁護士に言ってください。えら〜い先生ね。警察にも弁護士にも名誉毀損で訴えろって言われているんだから。あ、うちの女房に何か言った? 言っちゃダメよ」

 いきなり法的手段を口にし、人を小馬鹿にした態度で保身を図るナイル氏。

「お金は一貫して要求していませんし、警察が呆れているならそもそも被害届は受理してくれません。性加害者は加害意識がないというのは、その通りだと思いました」(山田さん)

 わいせつ行為によって刻まれた大きな心の傷。歌舞伎好きの彼女は「ナイル」の店名を見るのも辛い日々が続いている。

「週刊新潮」2022年4月21日号 掲載

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