知床遊覧船事故 情報が遅すぎて家族の苛立ちはピークに…「海保の仕切りの悪さ」で大混乱

知床遊覧船事故 情報が遅すぎて家族の苛立ちはピークに…「海保の仕切りの悪さ」で大混乱

観光船 海保の対応悪さ指摘

知床遊覧船事故 情報が遅すぎて家族の苛立ちはピークに…「海保の仕切りの悪さ」で大混乱

24日、「知床遊覧船」の事業所に特別監査に入る国交相の職員たち

「なんで情報がこんなに遅いんだ!」。北海道・知床半島の沖合で観光が消息を絶った海難事故で、安否を心配する家族たちの疲れや苛立ちは頂点に達している。本来、誰よりも矢面に立たなければならない運航会社の社長は、いまだ記者会見すら開かないまま。現場の記者たちからは、捜査や家族と記者への対応に当たる第1管区海上保安本部の”仕切りの悪さ”を指摘する声も上がっている。

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■ようやく「足組み社長」が記者会見へ


 遊覧船「KAZU 1(カズワン)」が出港したウトロ港近くでは、乗客の家族向けに毎日3回の説明会が開かれているが、運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)が出席したのは初回のみ。しかも、「足を組んでいた」「スマホばかり触っていた」という不遜極まりない態度だったため、家族たちの怒りを買った。

 事故発生5日目の27日午後にようやく記者会見を開くことが決まったが、遅きに失している。26日に現地視察に入った渡辺国交副大臣も逃げ回る社長に対し、「義務として説明しなければいけない」と強い不快感を示していた。

 家族たちがいま最も欲しがっているのは安否情報である。だが、26日現在、11人見つかった遺体のうち、身元がはっきりしたのは7人のみ。説明会の会場からは「なんでこんなに情報伝達が遅いんだ」という家族たちの怒号が漏れ伝わってくるという。地元記者はこう呆れる。

「私たちも小樽にある第1管区海上保安本部に詰めかけて、身元情報を求め続けているんですが、総務部長から出てくる言葉のほとんどが『確認中』『何もない』だけ。26日昼頃、7人という数字が出てきたのも、地元・斜里町の副町長がぶらさがり取材のなかで明かしたもので、海保からの情報は3人で止まったままだった。こういう時は、遺族やメディアに正確な情報を適宜出し続けることが肝要なのですが、はっきり言って海保はこういう現場に不慣れなため、仕切りが悪すぎるんです」


■過去の事故を間違って広報


 カズワンが過去に2度事故を起こして、船長が書類送検されていた件の広報を巡っても、不手際があったという。

「23日深夜のレクで、海保は、昨年6月の座礁事故を起こした際の船長は、今回事故を起こした豊田徳幸さんではなく、『別の船長』と言っていたんです。でも、翌日の夜のレクで、同じ人物だったと訂正。20時間も後のことです。すでに各社、記事を出した後だったので、慌てて訂正記事を出すことになりました。ありえないミスです」(前出・地元記者)

 道警も海保のサポート役として現場で動いているが、記者たちの間からは「警察や役場が仕切っていれば、もっとまともな情報管理ができていたのではないか」という声も上がっている。

「警察や役場は大きな事故・災害の経験が豊富なため、被害者への接し方も慣れています。明らかに経験の違いが現れています」(同)

 一刻も早い全員の安否確認と、運航会社の説明責任が果たされることが望まれる。

デイリー新潮編集部

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