「神戸山口組」ナンバー2の自宅に元半グレが“特攻”の「特筆すべき点」 かつて襲撃を受けた元ヤクザが明かす「された側の憂鬱」

「神戸山口組」ナンバー2の自宅に元半グレが“特攻”の「特筆すべき点」 かつて襲撃を受けた元ヤクザが明かす「された側の憂鬱」

最高幹部の自宅まで襲われた神戸山口組の井上組長

■3年前にガールズバーを襲撃


 5月8日未明、特定抗争指定暴力団「神戸山口組」の副組長で2代目宅見組の入江禎(ただし)組長の自宅に車が突入するという事件が起きた。捜査の結果、大阪府警が建造物損壊容疑で逮捕した男は半グレの元幹部だったことが判明した。元山口組系義竜会会長で、現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」主宰の竹垣悟氏が今回の特筆すべき点や、かつてヤクザから自宅を襲撃された時のことについて振り返る。

 逮捕されたのは名古屋市の無職・菅野義秀容疑者(26)で、8日の午前2時45分ごろ、大阪府豊中市にある入江副組長宅にクルマをバックで突っ込み、木製の門戸を損壊させていた。

 菅野容疑者は半グレ「アビスグループ」の元幹部で、約3年前に対立する半グレが経営するガールズバーを襲撃。暴行と凶器準備集合などの疑いで大阪府警に逮捕されたことがあるという。

「副組長宅突入事件は発生当初、やったのは半グレだなどといった情報が回ったりしました。しかし、その後、私のところに入った情報によれば、菅野容疑者は現在、6代目山口組の3次団体『稲葉地一家』に所属する組員という立場で、“1人で車両特攻した”ということでした。アビスはすでに解散しているようですね」

 と話すのは竹垣氏。


■気になった点は?


「稲葉地一家は資金力のある組織だとされています。この組織による襲撃と聞くと、2019年10月のことを思い出します。傘下の丸山組・丸山俊夫組長が当時、神戸山口組側だった5代目山健組事務所付近で、組員2人を射殺しました。68歳の丸山組長は記者を装うなど用意周到だったことが報じられましたね」

 と竹垣氏は、今回の一件について着目すべく点がいくつかあるという。

「ざっくりとですが、半グレからヤクザになった26歳という若い子がいて、その人物が単独で車両特攻したこと、そして神戸山口組の副組長の事務所ではなく自宅を襲撃したことが気になりました」

 具体的に解説してもらうと、

「半グレからヤクザに移った者たちがいることが顕在化するのはなかなかないことです。加えて若い子が単独で突っ込むのも私が若い頃はありませんでしたね。若い子と“バッテリー”を組んでどちらかが“鉄砲”(拳銃)を携行しているという状況はままありましたが、若いのが1人と言うのはなかなかないことですね」(同)


■5発の銃弾をハジかれましてね


 竹垣氏が続ける。

「さらに、副組長の自宅の方に突っ込んだというのも注目点です。去年、同じ神戸山口組の寺岡修若頭と極めて親しい人物の自宅にトラックが“特攻”したことがありましたが、それにしても寺岡若頭本人がターゲットではありませんでした」

 つまり「若い子単独」「自宅」「車両特攻」という組み合わせが、これまでの業界的な常識からすると珍しいというのが竹垣氏の見解である。

 ちなみに竹垣氏自身は2015年8月に、ある組織から自宅を銃撃されたことがある。

「ウチの家の玄関に向けて5発の銃弾をハジかれましてね。お盆の最中で玄関を修理しようにも業者が休んでおり、しばらくはガムテープで塞いで凌ぎましたよ(笑)。警察も、“どこから手配してきたんか”と思うくらいの頑強なアメ車でやってきて、1カ月くらい夜間だけやったけど張り込んで警備してくれました」

 アッケラカンと語っているように見えるが、もちろんそうではないところもあるようで、

「私はその時点でカタギでしたから入江副組長と立場は違いますが、自宅には家族が一緒にいますから“何かあったら困る”というふうに考えますよね。個人的には事務所を襲われるよりもショックでした」

 今回の件は6代目と神戸側とで繰り返されている抗争に新たな展開が見られた以上に、当事者たちにとってはインパクトのある襲撃となったと言えそうだ。

デイリー新潮編集部

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