“和製ジャベリン”の実力とは? 戦場で活躍する「最先端手術車」とは? 他国の侵略を阻む自衛隊の先進的装備

“和製ジャベリン”の実力とは? 戦場で活躍する「最先端手術車」とは? 他国の侵略を阻む自衛隊の先進的装備

陸自兵器に"和製ジャベリン"

“和製ジャベリン”の実力とは? 戦場で活躍する「最先端手術車」とは? 他国の侵略を阻む自衛隊の先進的装備

「12式地対艦誘導弾」は現在、主に南西方面に配備されている(写真・防衛省)

■ウクライナを“ネオナチ”呼ばわりするロシアだが、どちらが非道な侵略者かは明らか


 5月9日のロシア(旧ソ連)の対ナチス・ドイツ「戦勝記念日」。この日、プーチン大統領は「勝利宣言」を出したかったところだろうが、いかに自画自賛が好きな彼とて、さすがにそうはいかなかった。ウクライナ軍の善戦がそれを阻んだと見ることもできるだろう。

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 プーチン大統領に“ネオナチ”呼ばわりされる当のウクライナ軍は、今も必死に侵略者を阻んでいる。イギリス国防省の直近の分析では、ロシア軍は地上戦力の3分の1を失ったとも伝えられている。

 こうしたウクライナ軍の善戦を支えている一つの要因が、欧米等から供与されている武器だというのはもはや常識だろう。

 どんなに士気が高くても、いざという時に武器がなければどうしようもない。

 それでは我が国の「いざという時」の備えはどうなっているのかは気になるところだろう。現在、ウクライナで使われているような武器を自衛隊は持っているのか。写真で見てみよう。


■日本版ジャベリンは川崎重工製


 ウクライナ軍の抵抗の代名詞ともいえるのが、米国製の対戦車ミサイル「ジャベリン」であろう。歩兵1人で操作でき、ひとたび発射されれば、自動的に敵の戦車まで突っ込んでいく優れた武器だ。

 日本にも、ジャベリンとほぼ同等の性能を持つ、「和製ジャベリン」とも呼べる兵器がある。川崎重工製の「01式軽対戦車誘導弾」だ。2001年に制式化されたことから「01式」となっている。ジャベリンが1996年デビューなので、“後輩”にあたる。

 予備のミサイルまで含めれば30キロ以上の重量。1人で持つにはなかなか重いのだが、屈強な自衛隊員は実際に担いで訓練を積んでいる。1キロ先の戦車を狙うことも可能。これまでに陸上自衛隊には千セットほどが調達されている。


■日本版ネプチューンは三菱重工がつくる


 陸ではなく海からの攻撃への防御はどうか。

 4月14日に沈没したロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」について、ウクライナ側は「国産の対艦ミサイル〈ネプチューン〉を2発命中させ撃沈した」と発表。ウクライナは旧ソ連時代から軍需産業の集積地であり、現在も高い技術力を保持している。ネプチューンの活躍は、その力を示した例といえるだろう。

 そのネプチューンの“日本版”としての役割を期待されるのが、三菱重工の「12式地対艦誘導弾」である。島国日本にとって、地上から敵の軍艦を狙い撃ちするこのミサイルはまさに国防の切り札といえる。

 この12式地対艦誘導弾は現在、主に南西方面に配備されている。


■まだまだある、自衛隊の先進的装備


 今のところ、プーチン大統領は核兵器の使用については可能性をチラつかせるにとどまっている。生物兵器、化学兵器も使用の危険性はあるものの、現時点では使っていないと見られている。

 この種の攻撃に備えて自衛隊が保有しているのがNBC偵察車である。N(核)B(生物)C(化学)兵器に対処するこの偵察車は、外気に触れないまま汚染物質を回収できる。

 また、こうしたケースで使用される「防護マスク」はすでにウクライナにも支援物資として送られた。有毒ガスなどを防御できるだけではなく、内部の汗を外部に出すこともできるという高性能マスクだ。

 他に自衛隊が有している先進的装備としては、戦地で負傷者を治療する「野外手術システム」が挙げられるだろう。一見、ただのトラックのように見えるが、1日に12人ほどの手術を行うことができるという。内部の写真を見ればちょっと前のドラマ「TOKYO MER」に登場した手術車を連想される方もいるかもしれない。

 ロシアの国際法を無視した野蛮な侵略を目にし、日本国内では一層の防衛力増強を求める声が上がり始めている。

 一昔前なら、自衛隊の装備強化を唱えると「軍国主義の復活」などという批判が必ず起きたものである。しかし、現在は、その手の批判を「平和な時代だったからこその空論」と受けとめる人が増えているのではないだろうか。

撮影・福田正紀

「週刊新潮」2022年5月19日号 掲載

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