猛暑でもマスク着用率9割の「祇園祭」 岸田総理が実行しない安倍元総理の遺言“コロナ対策見直し宣言”の中身とは

猛暑でもマスク着用率9割の「祇園祭」 岸田総理が実行しない安倍元総理の遺言“コロナ対策見直し宣言”の中身とは

安倍氏"遺言"にコロナ見直し

7月16日の宵山は多くの見物客で賑わった

祇園祭は3年ぶりに多くの見物客で賑わった


 コロナの影響で休止されていた京都・祇園祭の山鉾巡行が3年ぶりに実施された。17日当日には約14万人が見物に詰めかけ、前日の宵山にも多くの人出が見られた。露店も復活し、コロナ禍前と同じ約600店が出店したという。

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 ただ、3年前と違うのは、見物客の多くがマスク姿だったことだ。もちろん現在第7波が到来している以上、仕方のないことなのかもしれない。しかしもしも亡くなった安倍元総理が辞任時に口にしていた方針が実現していたら、行楽地の光景もずいぶん変わっていたのではないだろうか。

 安倍晋三元総理は、2020年8月の辞意表明会見で、

「新型コロナは現在、2類感染症以上の扱いとなっているが、今後は運用を見直す」

 と明言していた。

 当時マスメディアにおいて「安倍総理の遺言」などと報じられたこの“コロナ対策見直し宣言”だが、続く菅義偉・岸田文雄両政権下で実行に移されることはなく、すでに2年近くも“放置”されている。

3年振りの山鉾巡行に約14万人が詰めかけた

■「本当の遺言になってしまった」


「安倍さんは今年5月にも改めて、新型コロナの感染症法上の扱いをインフルエンザ並みの5類にするよう強く訴えていました。安倍さんが亡くなった今、本当の遺言になってしまった」(自民党関係者)

 そんな中、3年ぶりに開催された京都の祇園祭。真夏の屋外であるにもかかわらず、9割以上の市民がマスクを着けている。

 一方、同時期に米オレゴン州で行われた「世界陸上」の会場では、選手も観客もノーマスク姿だった。それどころか、大声を上げて選手を応援する観客の姿も当たり前に存在していた。

 生前、安倍氏は「日米両国は価値観を共有している」と語っていたが、ことコロナに関しては首を傾げざるを得ない状況である。

世界陸上の男子100メートル決勝。客席で大歓声を上げても注意されたりはしない

■ロイター通信は新規感染者数の更新を終了


 価値観のズレは欧州との間にも。東欧のチェコに暮らす邦人はこう語る。

「屋外はもちろん、地下鉄の車内でもマスク姿はゼロですね。目下、市民の心配事はロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高で、コロナは完全に過去の話。もう誰も話題にしません」

 今月15日を最後に世界三大通信社の一つ、ロイター通信が、新規感染者数など統計データの更新を終了した。

 周回遅れの日本と価値観が似ているのは、やはりマスク信仰が根強い韓国や、ゼロコロナ政策続行中の中国くらいかもしれない。

 政府与党からは安倍元総理の功績をたたえる声は多く聞かれるにもかかわらず、不思議なほど晩年に強く訴えた「5類への見直し」について遺志を継いで進めようという声は聞こえてこない。

撮影・吉川 譲

「週刊新潮」2022年7月28日号 掲載

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