「6代目山口組傘下」の3次団体組長が秋葉原でコンカフェのコンサルタントに刺殺されたワケ

「6代目山口組傘下」の3次団体組長が秋葉原でコンカフェのコンサルタントに刺殺されたワケ

司忍組長

■5代目國粹会の幹部


 東京・秋葉原で男性が刃物で刺されて死亡した事件で、警視庁万世橋署は7月22日、殺人容疑で佐々木文俊容疑者(35)を逮捕した。犯行の直前、両者は別の男性も含めた3人で話し合いを持っていたというが、事件の背景には何があったのか? 元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

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 殺害された山中健司さん(34)は暴力団関係者で、佐々木容疑者とはみかじめ料をめぐってトラブルになっていたと報じられた。

「山中氏は6代目山口組傘下の5代目國粹会幹部で、3次団体の組長とのことでした。秋葉原の喫茶店で話し合いを持って店を出た後、佐々木容疑者が持参した包丁で山中氏を刺した。佐々木容疑者がコンサルタントとして関係するコンセプトカフェ(コンカフェ)の売上金を山中氏に上納する・しないの件でトラブルになっていたようです」

 と、竹垣氏。

「もともと包丁を持っていたこと、切り付けるのではなく刺していることから、話し合いがまとまらなければそうしようという明らかな殺意が見て取れますね」(同)


■東京の盛り場の地主


 つまり、みかじめ料を要求する暴力団幹部が、要求される側から刺殺されたというのが事件の構図だ。

「戦前の右翼団体の系譜を継ぐ國粹会は“東京の盛り場の地主”と言われてきました。以前は住吉会や稲川会に縄張りを貸すなどしていたこともありましたが、2005年に先代が6代目山口組の司忍(本名・篠田建市)組長(80)の舎弟となり、その傘下となりました」(同)

 時代と共に情勢は変わっても、地主として店子から家賃やみかじめ料を受け取ったりして、シノギとしてきたわけだ。

「みかじめ料については暴力団排除条例ができてから、お金を支払った側も罰せられるようになっています。要求された場合に断りやすい環境を作るための方策ですね。支払う側としてはヤクザよりも警察のほうが怖い存在になった。摘発されたくないなら払わないのがベストというのは間違いないのですが、長年の習慣というのもあって断りきれないケースも多いようです」(同)

 みかじめ料の対象というと、一般的にはクラブ、スナック等、アルコール提供が伴う飲食店がイメージされる。一方、今回、トラブルの元となったのはコンカフェという新し目の飲食店だ。

「コンカフェはメイドカフェから派生したジャンルで、秋葉原だけでメイドカフェと合わせて約200店舗があるとされています。近年、特にメイドカフェは、風俗営業法違反(無許可営業)容疑で一斉摘発されるなど、捜査当局の規制対象となってきました」

 と、社会部デスク。


■ある種のコンカフェ包囲網


 例えば今月19日、秋葉原のコンカフェで13歳の女子中学生を働かせたとして、万世橋署は児童福祉法違反の疑いで店長らを逮捕している。

「メイドカフェやコンカフェの中には、もちろん優良店も少なからずあり、観光資源として貴重な店も多い。しかし、その一方で、悪質な客引きやぼったくりなどが常態化していることも事実で、当局はそれを問題視してきました。細かなコンセプトに分かれるとはいえ、同じようなタイプの店が狭い場所に集まっているだけに、差別化のためにサービスが過激になることもままあったと見られます」(同)

 要するに、「コンカフェ包囲網」が敷かれているとは言わないまでも、商売のしづらさが際立ってきていたとは言えるのだろう。

「以前は海外から多くの客がやってきたということですので、コロナ禍で経営は大きなダメージを受けたようです。そんな中でみかじめ料の要求にも応えなければならないとなると、容疑者も思い詰めるところがあったのかもしれません」(同)

 被害者と容疑者との付き合いは10年に及ぶという。容疑者が犯行に及んだのは夕方6時半ごろ、JR秋葉原駅に程近い路上においてだった。現場には被害者の血がとめどなく流れたほど容疑者は迷いなく刺していることから、みかじめ料の要求への悩みは相当なものだったと推察される。

デイリー新潮編集部

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