五輪汚職疑惑、高橋治之氏の“上級国民”人生 平社員時代から運転手付きのジャガーで出勤

五輪汚職疑惑、高橋治之氏の“上級国民”人生 平社員時代から運転手付きのジャガーで出勤

高橋元理事の"上級国民"人生

五輪汚職疑惑、高橋治之氏の“上級国民”人生 平社員時代から運転手付きのジャガーで出勤

知る人ぞ知るスポーツ界のドン

 東京五輪から1年という節目に、「五輪汚職」疑惑を追う東京地検特捜部が強制捜査に乗り出した。司直のメスが入ったのは、これまで疑惑が取り沙汰されながらも、当局の手が及んでこなかった上級国民。その金満人生を追う。

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 7月26日、東京・世田谷区にある東京五輪・パラリンピック大会組織委員会元理事・高橋治之氏(78)の自宅へ、東京地検特捜部が家宅捜索に入った。

 捜査の端緒を最初に報じた20日付の読売新聞によれば、五輪の大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」が、高橋氏が代表を務める会社に計4500万円超もの“コンサルタント料”を支払っていたことが判明。「AOKI」は日本選手団が開会式などで着用する公式服やライセンス商品を手掛けており、特捜部はこれが五輪開催に絡んだ贈収賄にあたるとみて捜査を続けていたのだ。


■NYの高級ホテルにプライベートルーム


「きっと高橋さんにしてみれば、4500万円ごとき“はした金”でしょっぴかれるのか、と思っているのではないでしょうか」

 とは、高橋氏を知る広告業界の関係者だ。

「これまで高橋さんが動かしてきたお金と、今回問題になっている額は桁のスケールが違いすぎますからね。電通の平社員だった頃から、高橋さんは運転手付きのジャガーで出社し、自分のプライベートルームを米・NYの高級ホテル内に持っていたんです。マンハッタン島にあるプラザホテル向かいの一等地だったそうです。その後、電通の専務にまで上り詰めていくわけですが、大澄賢也と結婚する前の小柳ルミ子や、かたせ梨乃と浮き名を流し、都心のホテルやバーで逢瀬を重ねているところを目撃されていましたね」(同)

「サッカーの神様」ことペレを高橋氏は弟のプライベートジェットで来日させ、中曽根康弘氏とテニスをさせたなんて逸話もある。

 一体、高橋氏とは何者なのか。


■「レガシーを残した」


 彼の父である義治氏は、物資不足の戦後まもない時代に輸入商として財をなし、テレビ朝日の設立にも関わった実業家だった。弟の治則氏はバブル期にリゾート開発会社「イ・アイ・イ・インターナショナル」で手広く事業を起こすものの、経営破綻し、背任罪に問われ逮捕。この事件は日本長期信用銀行が破綻する大きな要因にもなって世間を騒がせた。

 かような一族の下に生まれ、豊富な資金力と華麗なる人脈を背景にした高橋氏は、慶應大学を卒業後、電通に入社してスポーツ文化事業局で頭角を現す。FIFA会長とのホットラインを生かし、2002年の日韓ワールドカップの開催実現に尽力したことで知られる。

 もとより彼の名前が五輪にまつわる疑惑で上がるのは初めてではない。

 全国紙の社会部デスクが解説するには、

「2019年、東京五輪の招致に絡む買収疑惑で仏当局が捜査を始めた際、当時JOC(日本オリンピック委員会)の会長だった竹田恒和氏は混乱を避けるため委員を辞任。その折、竹田氏の背後にいたとして取り沙汰された人物が高橋氏でした。慶應の後輩である竹田氏と、森喜朗元総理の三人で、東京五輪の招致に尽力してきたとされるコアメンバーの一人だったのです」


■度々、自宅が差し押さえに


 ちなみに家宅捜索に入られた高橋氏の自宅は、世田谷区用賀の父から継いだ約230坪もの豪邸だが、登記簿謄本をみると、度々、都から差し押さえを受けている。海を越えて札束が乱れ飛ぶとされるロビー活動に熱心なあまり、肝心の住民税を払い忘れてしまったのだろうか。

 強制捜査に先立つ23日、国立競技場では五輪開幕1周年のセレモニーが行われ、東京都の小池百合子知事があいさつで「多くのレガシーを残した。大会を経て、東京は新たなスタートラインに立った」と述べた。

 奇しくも知事の言う“遺産”はカネにまつわる疑惑となって、世界中に醜聞をさらす格好となりつつある。

「週刊新潮」2022年8月4日号 掲載

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