高槻54歳女性怪死、1.5億円保険金“養子”の素顔 ランボルギーニとインスタグラマー彼女

高槻54歳女性怪死、1.5億円保険金“養子”の素顔 ランボルギーニとインスタグラマー彼女

高井凛容疑者

 20代ながら東京・赤坂の高級タワマンに住み、黒のランボルギーニを乗り回す。そんな“怪しき男”がついに逮捕された、大阪で起きた「高槻保険金怪死事件」。どうやって彼は被害女性に1億5千万円もの生命保険をかけたのか。豪奢な暮らしの原資は? 見えてきたのは男の意外な半生だ。

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 およそ1年前の7月26日、大阪府高槻市にある一軒家の浴槽で、高井直子さん(54)=死亡当時=の遺体が発見された。当初、大阪府警は死因不詳としていたが、今年2月にようやく「他殺による溺死の可能性あり」と公表。殺人容疑での捜査を始めていた。

 それから約5カ月が過ぎた7月20日、事態は動いた。有印私文書偽造・同行使の疑いで、高井凛(28)=旧姓・松田=が逮捕されたのだ。

 高井は昨年2月、本来なら必要とされる親族――彼の場合は当時の妻や実父――の同意を得ないまま、直子さんと養子縁組を結ぶ書類を偽造、高槻市役所に提出した疑いが持たれている。


■数千万円の預貯金は相続


 社会部記者の解説。

「府警は今年2月の時点で、他殺の可能性だけでなく、直子さんに総額約1億5千万円の生命保険がかけられ、養子の20代男性が受取人になっていたことも発表しています。立件前にこのような内容が公表されるのは異例のこと。当初から今まで、高井容疑者をホンボシとにらんでいる何よりの証左です」

 しかし、逮捕容疑は殺人ではない。今後、捜査はどうなるのか。

「直子さんは、同居していた母親が認知症で施設に入ってからずっと、事件現場となった一軒家にひとりで暮らしていました。事件は“密室”で起きたため、直接的な証拠が乏しいのでしょう。この先、高井は有印私文書偽造・同行使での起訴後も勾留され続け、取り調べが長引く可能性も十分考えられます。府警がどのタイミングで証拠をそろえて殺人での再逮捕に踏み切るかが注目です」(前出記者)

 高井は養母となった直子さんの死後、保険金を受け取ることはできなかったようだが、数千万円の預貯金はまんまと相続。これを我がものとして使ったと見られている。


■異様なほど華美な私生活


 さて“疑惑の男”高井とは一体、何者なのか。

 1993年生まれの高井は、兵庫県の有名私立校、関西学院に中学から入学。エスカレーター式に関西学院大へと進んで卒業するまでの計10年間、強豪で鳴らすアメフト部に所属した。

 卒業後は大手コンサルティング会社、外資系保険会社などを渡り歩いている。

 エリート街道を邁進してきたやに映るが、近ごろは生活が「異様なくらい」華美になっていたという。

 高井の知人によれば、

「少し前まで家賃30万円は下らない赤坂の高級タワマンに住み、真っ黒のイタリア製高級車ランボルギーニを乗り回し、麻布十番のガールズバーで口説いた彼女と美食三昧の日々を送っていたようです。お気に入りのブランドはバレンシアガで、腕にはクロムハーツのブレスレットとチョイ悪系。肩、胸、脚などにタトゥーを入れていますね。転職を繰り返した後、フリーの身でFX投資をやって稼いでいると言っていた。時間に余裕があってアメフトサークルの活動に力を注いでいるとも話してました」

 交際中の彼女は、フォロワー数1万人超のインスタグラマーだった。


■病と挫折と


 その投稿をのぞくと、直子さんが亡くなった昨年7月下旬の前後に気になる写真が。カルティエの腕時計にブシュロンのリング、ルブタンの靴といった、高井から贈られたと思しき品々がズラリ。遡れば昨年6月、彼氏のランボルギーニが納車された旨の投稿も。殺害の成功を見込んで購入したものもあるのだろうか。

 アメフト仲間は言う。

「彼女とランボルギーニで試合会場に乗り付けた時は驚きました。ただ、あいつはアメフトに関しては超真面目。昨年5月頃にチームに加入したのですが、逮捕される1週間前まで練習を欠かしませんでした」

 関西学院アメフト部のOBは、意外な過去を明かす。

「彼は高3の時、日本代表に選ばれるほど将来を嘱望されていましたが、大学に入ってすぐ筋トレ中に脳出血を起こし、生死の境をさまよったんです。幸い一命はとりとめましたが、ウチの部は脳の病気やけがには厳格で、安全性の観点から彼が選手として復帰することを許可しなかった。結果、彼は大学チームに籍を置きながら高等部(関西学院高校)のコーチを務めることになったのですが、本意ではなかったようです」


■挫折続きの人生


 その後、彼は挫折続きの人生を歩む。

「中高6年間ずっと部の中心にいたというプライドが損なわれたせいなのか、徐々に周囲とうまくいかなくなっていったように見えました。就職活動でも部のOBを頼らず、一般の学生と同じ採用試験に臨みながら、志望した商社や広告会社はすべて落ちてしまった。なんとか大手コンサルティング会社に就職を決めたものの、彼が希望する上位職での採用ではなかったようです。結局2年ほどで辞めてしまい、外資系保険会社に転職しましたが、そこではまた厳しい歩合制に苦しんだとも」(前出OB)

 迫る捜査に身を縮めていたであろう高井容疑者。7月20日に逮捕された際、住んでいたのは都心から遠く離れた神奈川県川崎市内の、エレベーターもない築30年ほどのマンションの4階だった。件の彼女との同棲こそ続けていたが、駐車場にあの黒のランボルギーニは駐まっていなかった。

「週刊新潮」2022年8月4日号 掲載

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