憧れの爆風と火柱が体験できる「爆破ツアー」が大盛況  熟年アムロ&セイラも盛り上がる「特撮の聖地」

憧れの爆風と火柱が体験できる「爆破ツアー」が大盛況  熟年アムロ&セイラも盛り上がる「特撮の聖地」

映画「マトリックス」風のスタイルで決めた女性たちのバックには高さ10メートルに届かんとする紅蓮の火柱がたちあがる

■特撮マニアの間では知らない人はいない場所


 栃木県に「特撮の聖地」と呼ばれる場所があるのをご存知だろうか。数々の特撮作品で爆破シーンが撮影された岩船山採石場跡地である。近頃、この“聖地”で実際に爆破を体験するツアーがマニアの間で大盛況なのだという。

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 高さ10メートルに届かんとする紅蓮の火柱がたちあがる。耳をつんざく爆音と思わずよろけそうになる爆風――。

 8月最後の土曜日、栃木県・岩船山採石場跡地で行われていたのは、読売旅行が主催する「爆破体験ツアー」だ。

 岩船山と聞いてピンとくる人は少ないだろうが、特撮マニアの間では知らぬものはいない特別な場所。「ゴレンジャー」などの戦隊ものや「西部警察」の爆破シーンに何度も利用されてきたロケ地なのだ。読売旅行の佐々木浩二課長によると、

「岩船山の爆破体験をツアーに組みこむという提案を受けた時、コレだと思いました。アニメ作品の“聖地巡礼”がはやっている昨今、その流れに乗って特撮マニアがどっと押し寄せるだろう、と」


■あっという間に満席に


 しかし6月に開始したツアー募集は当初、動きが鈍かった。ウクライナ情勢もあり、爆破が売り物のツアーを積極的に宣伝・告知できなかったからだ。ところが1本のツイッター投稿がきっかけで、あっという間にツアーは満席。9月開催分も満席となり、以降も月1回の開催が予定されている。

 今回第1回のツアーの参加者は約80人。ほとんどの方がキャリーバッグを持っている。聞けば「コスプレ衣装が入ってます」。

 マトリックス風コスプレの女性3人組に話を聞いてみると、インスタ映えする写真が撮りたくて東京から参加したのだという。

「爆破はすごい迫力。熱風で背中が熱かった」とおおはしゃぎだった。


■「結婚30年の記念で」


 最高齢66歳の女性は茨城・取手から。

「『西部警察』や『仮面ライダー』の世界を体験したくてやってきました。バックの岩山は遠い昔にテレビで見覚えがある風景で懐かしい」

 とご満悦の様子。

 今回のツアーで一番気合が入っていたのは「ガンダム」のキャラクターに扮した横浜の熟年夫婦だろうか。ウール素材の分厚い衣装に大汗をかきながら、

「結婚30年の記念で参加しました。今は遠くで暮らす子供たちに元気でやっている写真を送りたくて」

 とのこと。

 おそらく人生で初めて経験する火柱と爆音と爆風は、参加者にとって、この夏最後の特別な思い出になったに違いない。

撮影・西村 純

「週刊新潮」2022年9月15日号 掲載

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