甲子園「智辯vs.智辯和歌山」の感動が虚しい 「辯天宗」骨肉の“兄弟げんか”につける薬なし

チベン製薬HP

■御神示薬


「創価」や「天理」などと並び、高校球界で名の通った学校を持つのが「辯天宗」である。昨夏の甲子園決勝での「智辯学園」と「智辯和歌山」の“兄弟対決”は衆目を集めたが、実は、辯天宗でも、宗祖直系の一族内で骨肉の兄弟げんかが繰り広げられている。

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「辯才天」を本尊とする辯天宗が組織されたのは1952年のこと。創設者は奈良県吉野町出身の大森智辯である。実質的に辯天宗を切り盛りする第一世管長には、宗祖智辯の夫で高野山真言宗の元住職、大森智祥(ちしょう)が就いた。

 以来、管長職は宗祖直系の「長男」の指定席となっており、第二世管長は大森慈祥(じしょう)、2018年9月からは宗祖の孫にあたる大森光祥(こうしょう)が第三世管長として舵取りを担っている。

 辯天宗の責任役員によると、辯天宗の100%子会社「チベン製薬」を舞台に争いが続いているという。チベン製薬は、宗祖が神の指示によって収集した植物を原材料とする「御神示薬(ごしんじやく)」を扱ってきた会社だ。

昨夏の「チベン対決」

■家族共々排除


「その二代目の社長として、慈祥第二世管長の三男、大森康平がチベン製薬入りしたのは、09年1月。もともと、康平さんは辯天宗関連の建設会社を経営していたのですが、実父の慈祥第二世管長からチベン製薬の経営立て直しを委ねられました」

 業績不振を解消すべく、康平氏は、信者向けだけでなく一般消費者にも販路を広げる選択をする。15年には、のちに社長となる康平氏の息子の彬史(あきふみ)氏も入社。営業面を強化し、業績回復の兆しも見られたものの、19年6月に社長の座を引き継いだ彬史氏は、就任からわずか半年後に解任された。

「役員会も開かれず、一方的に彬史さんは辯天宗の弁護士から“解任通知”を送り付けられました。その半年後、チベン製薬が康平さんに2000万円、康平さんの妻と彬史さん二人に、合わせて6100万円超の損害賠償を請求する訴訟を大阪地裁に起こしました」

 その訴えは、チベン製薬への医薬品の納入ルートを勝手に変えたり、営業車や営業拠点として借りたマンションを私的に使うなどしたことで損害を被ったというもの。慈祥第二世管長の長男である光祥第三世管長が、三男の康平氏を、家族共々チベン製薬から排除し裁判に訴え出た格好である。

 双方の主張は真っ向から対立。提訴から2年を経ても解決の見通しは立っていない。

「週刊新潮」2022年9月22日号「MONEY」欄の有料版では、骨肉の争いの舞台裏を詳報する。なお、辯天宗は「なにもお答えするつもりはございません」とのことだった。

「週刊新潮」2022年9月22日号 掲載

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