「風俗で働いてほしい」婚活アプリで“1億1500万円詐欺男”が第2の事件で逮捕(1/4)

「風俗で働いてほしい」婚活アプリで“1億1500万円詐欺男”が第2の事件で逮捕(1/4)

1度目逮捕の相手は銀座ホステスだったが

■1つ目の事件の約1年前の出来事


 婚活アプリで知り合った30代の銀座ホステスAさん(36)から合計1億1500万円を騙し取り、詐欺容疑で逮捕・起訴された岡寛仁被告(34)。彼をめぐっては複数の被害者がいるとされ捜査が進められてきたが、そのうちの1件について詐欺容疑が固まり、5月17日、京都府警は再逮捕に踏み切って9月16日付で京都地検は詐欺罪で起訴した。同じように婚活アプリを通じて知り合った30代のBさんを籠絡し、風俗店での勤務を強要、カネをむしり取っていたというのだ。(全4回)

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 最初にAさんの一件を振り返っておくと、岡被告は妻帯者であるにもかかわらず独身であると言ったり、生年月日を偽ったり、司法書士などの資格を持っていると吹聴したもののそれもなく、幼稚舎から慶応に通っていたというのもウソで、20億とも語っていた預金もなく……などとさまざまなフェイクを重ねてきたという。

 岡被告はAさんとは2021年3月に知り合っているのだが、今回のBさんと繋がりができたのはそれよりも前、2020年1月2日のことだった。結果としてBさんは、立件対象となる約3700万円以上のカネをむしり取られ、その間、風俗店での勤務を強いられることになる。

「結婚を前提に付き合える人を探し、アプリ『O』で何人かとマッチングした中で、一番返信が早かったのが岡でした。早々に会う約束をしましたが、会う前からLINEで送られてくる岡の文言は、かなり積極的でした」

 と明かすのはBさん本人。ほっそりしたスタイルに芸能人で言うならに多部未華子に似た顔立ちで、美容関連会社に勤めていた30代だ。


■慶応卒、投資家、車8台所有、年収3億


「“結婚しよ”とか“年収億あるし”とか“家賃、生活費、オレが出すから、彼女になれよ”“今日バーキン買った”とか。どこでどんな風に手に入れたかわかりませんが、確かに億を超える年収はあったかもしれませんね。とにかくおカネ持ちアピールを繰り返していました」

 初めて会ったのは2020年1月12日夜。恵比寿駅で待ち合わせして、軽く食事をしながら話をした。

「ディオールにルイ・ヴィトン、そしてロレックスで現れました。岡は私に、“結婚願望あるの? 俺は慶応卒で父は名古屋で会社を経営していて、オレも自分で会社をやっている。投資家でもある。車8台所有してて、年収は3億ある。資格も司法書士、行政書士、宅建を持ってる。結婚して、すぐにでも同棲して、赤ちゃんも欲しい。彼女になってくれる? その代わり、言うこと聞いてくれる彼女が好き。ペットみたいな彼女が好きなんだ。言うこと聞いてくれたら、欲しいものも全部買ってあげるね。両親にも挨拶に行かせてほしい”などとまくし立てるように言っていました」

 出会いから30分もしないうちに、岡被告は近所のホテルに行こうと告げる。


■「え? なんでそんなに預金持ってるの?」


「岡の見た目はカネ持ちのおぼっちゃん風。すぐにホテルに行くことに抵抗はなかったです。ホテルに入ると、かぶっているキャップは脱がずに迫ってくるなど、気取った感じがありましたね。行為もそこそこに、すぐにカネや経歴の話に戻って、“結婚しよう! 俺は年収3億で預金は20億! 必ず幸せにしてあげる! 俺と出会えてよかったね? 仕事も辞めていいよ! ちゃんと言うこと聞ける?”といった感じでした」

 それから岡被告は、Bさんの預金額について尋ねてきた。

「“両親に家をプレゼントしたくて貯めてきたもので、3000万から4000万円あるよ”と言ってしまいました。その時は深く考えていなかったのですが、今では後悔しています」

 岡被告はすかさず、「え? なんでそんなに預金持ってるの? 自分の彼女がそんなに預金持ってたら心配だよ。そのカネを俺に預けてくれる? 両親への家は俺からプレゼントで買ってあげるし、欲しいもの全部買ってあげる。美容も好きなら、全部OK! 言うこと聞いてくれるよね? 彼女なんだから!」と畳みかけてきたという。

「岡は“どこの口座にいくら入ってるのかな? お別れするってなったら、必ずそのカネを綺麗にして返すよ。FXもしてるから、そのお金で増やしてあげるね。嬉しくないの? 生活費はオレが全部払ってあげるし、オレのクレジットカードで生活してほしい”と言い、これに対して私は、3つの口座にどれくらい預金があるかを伝えてしまったのです」


■信用してしまった理由


 ちなみにBさんが、これだけの額を貯めたのは、「親からの生前贈与やキャバクラなどで稼いだから」だという。

 この逢瀬は3時間ほどで終わり、その後のLINEでのやり取りでは、〈Bはオレのものだから言うこと何でも聞けよ〉〈何があっても裏切ることはしないから、お利口さんしろよ?〉といったメッセージが送られてきた。

「お互いに好きだということで、私が1月中に引っ越しして同棲をスタートするなど、結婚を前提に話を進めることになりました。もちろんおカネを預ける話についても、“やっぱ全部オレに渡せよ? 明日は1500(万円)おろして、銀座で昼過ぎに待ち合わせね?”というメッセージがありました。話の進み方が急すぎて若干の不信感はあったものの、結婚相手にめぐり合えて、両親にも報告ができそうだという思いのほうが勝ってしまったかもしれません」

 Bさんは3つの口座にそれぞれ、1250万、1250万、そして980万円を預けてあったが、それらをその後に引き出し、全て岡被告に渡したのだった。

「岡は銀行の近くでウロウロして私が引き出すのを待っていて、それが終わったらホテルで落ち合い、今後の付き合い方についてアレコレ説明するという感じでした。“ちゃんと言うこと聞いてくれたね。えらいね。お利口さん”といった言葉をかけてくるのです」

 Bさんは、岡被告との交際に「普通のカップルとの違い」を確かに感じていたのだが、彼は資産家だという思いが頭から抜けきらず、信用してしまったのだという。この後、Bさんに対して岡被告は、金銭のみならず信じられないような要求をしてくる。

(続く)

デイリー新潮編集部

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